ステラ・マッカートニーは、パニック障害のなか瞑想で自分を取り戻した

photo: stellamccartney.com

元ビートルズのポール・マッカートニーを父に持つファッション・デザイナーのステラ・マッカートニーは、23年前、母親の死をきっかけに瞑想に目覚めたという。以下は、その時のことを語っていた「THE TIMES(英国)」の記事の抄訳。

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パニック障害のなか瞑想で自分を取り戻した

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ステラ・マッカートニー(49才)が超越瞑想(略してTM)を学んだのは、20代後半のことだった。まだ若かったので瞑想を学ぶ費用にちょっと躊躇したが、自分にとって瞑想が必要であることは十分に理解していた。「お金を払うときは、ウーンという感じだった」と彼女は顔をしかめて強調したが、「そのときはお金を出したくないと思ったけど、それはこれまでで最高の投資だったわ」という。

その当時、ステラはフランスの高級ファッションブランド「クロエ」のクリエイティブ・ディレクターに就任したばかり。彼女の若さと超有名な父親の影響で、前任者のカール・ラガーフェルドは「経営陣は有名人を起用したが、それはファッションではなく、音楽の領域で行うべきことだ」とあざ笑っていた。それはちょうど、母親のリンダをガンで亡くしたばかりの頃だった。

「そのとき、私は自分の反応をコントロールできなくなっていたんです。母を亡くした悲しみのために感情が抑圧され、それが肉体的にも影響してパニック発作に襲われるようになってしまった」とステラは話していた。しかし、超越瞑想を始めてすぐに、彼女は自分の感情をうまく扱うことができるようになったという。「私が本当に助けを必要としていたときに、瞑想が私を助けてくれた」と彼女は話している。

瞑想は日々の忙しさから逃れる貴重な時間

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今では、ロサンゼルスのホテルで私と一緒に座っているステラは、ファッション界のスーパースターとして活躍しており、23年前よりはるかに平穏な日々を送っている。

彼女は、4年間でクロエの売り上げを5倍にすることで、ラガーフェルドの嘲笑を見事にくつがえした。その後、彼女は退社し、レッドカーペット用のドレスからスポーツウェアやベビー服に至るまで、自分の名前で世界をまたにかけるファッション帝国を築き上げたのだ。

顧客の物質主義につけ込んで売上げを伸ばそうとするファッション業界の中で、彼女は毛皮や革を一切使用せず、オーガニック素材やリサイクル生地を取り入れた環境にやさしいファッションの先駆者となった。また、600人以上のスタッフを抱える大企業の経営者でありながら、家では10代前半の4人の子供たちの母親として家族と過ごす時間を大切にしている。

膨大なスケジュールをこなす彼女にとって、瞑想は日々の忙しさから逃れる貴重な時間。「TMは今でも続けていて、自分のために行っている唯一のもの。そのお陰で、正気を保っていられるのだと思う」。心を落ち着かせることで、「たぶん一緒にいる人たちに対しても、私はより良い人間になれる」と彼女は話していた。

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ソース:Stella McCartney on meditation: ‘When my mum died, Dad, my brother and I went to see the Maharishi’

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