心の余裕と正気を保つためにベン•フォールズはじっと座って瞑想した

1990年代に日本でも人気のあったロックバンド『ベン・フォールズ・ファイブ』。2000年に解散した後も、中心メンバーのベン・フォールズはソロ活動を続け、ツアーで精神的にも肉体的にも打撃を受けていたとき、超越瞑想を試したとデヴィットリンチ財団のイベントで語っていました。

以下は、『メンズ・ヘルス』誌に掲載された記事の抄訳です。

ベン・フォールズが初めてどん底に落ちたと実感したのは、歯医者の椅子に座っていたときだった。

2010年、作曲、レコーディング、ツアーなどで何年も休みなく働き続けてきた彼は、結婚生活での問題も重なって、口の中は「抜けて、入れ替えて、冠をかぶせる」必要のある歯でいっぱいになった。日本ツアーを終えた後、「信じがたいほどの歯の痛みと発熱」に見舞われたという。フォールズの歯科医は、彼が「歯ぎしり」をしていると指摘したが、それは睡眠不足、食生活の乱れ、不安の悪化が肉体的に現れたものだった。歯医者の椅子に座りながら、多くの新郎新婦が最初のダンスに選んだ 『The Luckiest』を書いたフォールズは、自分の幸せと健康がどうしてこんなにも急激に悪化してしまったのかを考えていた。

「すべてを考え直さなければ、家族や友人からの尊敬も、健康も、心も、そして収入の半分も失う危険性があった」と、フォールズは自叙伝『稲妻虫の夢』に記している。「私は精神的な歯痛を抱えていた。もし私の魂と芸術的才能がこれ以上衰えてしまったら、誰も私を助けることはできないだろう」

この危機の瞬間に、フォールズは、音楽制作で学んだすべての教訓を自分の人生に生かせると気づき、それが自叙伝を執筆するキッカケとなった。

フォールズは、歌詞で自分の感情を偽りなく表現することに苦労したことはなかったが、今ではその感情をセラピストに大声で伝えようとしている。彼は、ポップスからジャズ、クラシックのピアノコンサートまで、さまざまなジャンルに挑戦することで、音楽的な安全地帯から自分自身を押し出してきた。次に、ヨガやピラティスという不慣れな領域に身を乗り出す時がきたのだ。人生の大半をツアーで過ごし、ライブからライブへと走り回ってきたフォールズは、じっと座って超越瞑想に没頭することに挑戦した。

「最初の1週間は、交通渋滞でひどく緊張することも、電話を即座にかけ直すこともなかった。その結果、以前よりもはるかに良い決断ができるようになった」とフォールズは語っている。そして、「心の余裕や正気が必要なとき、瞑想はとても助けになった」と付け加えた。

ソース:Ben Folds Shares How Creativity Helps You Live a Happier, Healthier Life

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