不眠症

1. 不眠症とTM

超越すること──睡眠を改善する

TMの実践者の多くが最初に気づくことは、『よく眠れる』ということです

睡眠障害はストレスに関連していることが多いと考えられていますが、現在では、この関連性に関してより科学的な説明が与えられています。

睡眠障害の原因の一つとして、「幸福ホルモン」と呼ばれるセロトニンの産生量の減少が上げられます。セロトニンの産生量は、ストレスから大きな影響を受けています。

ストレスによって神経系の正常な機能が乱されると、セロトニンの産生量が減少するのです。それに対して、超越瞑想を実習すると、セロトニンの濃度が自然に増加し、ストレスに関連したホルモンの濃度が減少します。
(詳しくは「TMによるうつ病の効果」を参照してください)

こうした変化は私たちの生活の多くの領域に、特に『睡眠の質』に影響をもたらします。 体に備わる治癒力が活性化されるとき(詳しくは「ストレスの解消」を参照してください)、睡眠が自然に改善されます。

睡眠障害に対するTMの効果に関する詳細は、次の項目の「医師が質問に答える不眠症とTM」を参照してください。

科学的研究

Scientific Research on TM, Collected Papers vol 1: 41 pp 296-298

不眠症に対する超越瞑想の効果を調査した最初の研究は、カナダのアルバート大学で行われた小規模の予備的研究でした。
この研究では、不眠症患者のグループが、TMを学ぶ前の30日間、学んだ後の30日間、60日間、90日間の各期間に、眠りにつくまでの平均時間を記録しました。

その結果、眠りにつくまでの平均時間は最初は75.6分でしたが、最後の期間では15分にまで短縮され、その時点で安定しました(p<.001)。長期的な結果を見るために1年後に行われた調査でも、眠りにつくまでの時間は約15分で安定していました。

日本での大規模な研究 

Japanese Journal of Public Health 37 (10 Suppl.): 729

1989年に日本の産業医学総合研究所が行った大規模な研究では、住友重機械工業株式会社の427人の従業員が超越瞑想を学んで3カ月後に、同じ職場の対照グループ308人と比較して、眠りにつくのがより容易になったことが確認されました(p<.01)。

2. 医師が質問に答える不眠症とTM

超越瞑想と不眠症について医師が質問に答える

Q:私は真夜中に目が覚めてしまう傾向があります。時には、汗をかいたり、とても動揺を覚えたりすることがあります。超越瞑想を実践すれば、夜眠れるようになるでしょうか?

クラーグ博士:不眠症には多くの原因がありますが、もっともよくある原因は不安とストレスです。もちろん、超越瞑想を実践している人々の中にも、ときどき不眠の問題に悩んでいる人がいるかもしれません。ですが、超越瞑想はストレスを減らすのに役立つので、超越瞑想プログラムを学んだ不眠症の人々のほとんどは、その症状が徐々に軽くなっていることに気づいています。

Q:私はイスに座って目を閉じると、すぐに眠ってしまいます。TMは私には役に立たないのではないでしょうか?

クラーグ博士 :それは、あなたが休息を必要としており、おそらく「眠りの債務」を負っていることの兆候にほかなりません。超越瞑想は深いレベルの休息をもたらすので、あなたは少しずつ「眠りの負債」を「返済」することができ、昼間は心が明晰になり活力が増してくるのを感じるようになるでしょう。

Q:睡眠不足からくるストレスについてはどうでしょう? 
私は夜ぐっすり眠れることがほとんどありません。そういう場合にも超越瞑想は役に立ちますか?

グロスワルド博士:それはぜひ聞いて欲しかった質問ですね。なぜなら、調査によれば、アメリカ人は世界でもっとも睡眠不足の国民だからです。不眠によるストレスは長い間に蓄積していきます。

そうなると、たまには普通に眠れるときがあったとしても、日常生活で毎日受けるプレッシャーのために蓄積しているストレスは、睡眠では解消できません。

睡眠で解消できるのはその日の疲れだけです。そうして疲労とストレスはたまり続けます。休暇をとったとしても、いったん普段のライフスタイルに戻れば、リラックスした状態はそう長くは続きません。そのため、だれもが、日常生活で蓄積した疲労とストレスを解消する方法を求めています。蓄積した疲労とストレスは、睡眠不足によっていっそう悪化します。

超越瞑想を規則的に実践すれば、そのように蓄積したストレスをすぐに取り除くことができます。研究の結果、超越瞑想を規則的に実践すれば、心理面の幸福も含めて、健康が改善されることがわかっています。

研究者の推定では、病気の7割から9割はストレスに関連しています。ですから、あなたがストレスを解消する方法を持っていれば、あなたの健康全般、そして生活のすべての側面が改善されるわけです。

サリナ・グロスワルド(Ed.D.)は、認知学習の分野の専門家であり、最近では、言語性学習障害児に対する超越瞑想プログラムの効果に関する先駆的な研究を指揮してきました。グロスワルド博士の研究は、PBSやABSニュースなど全米のマスコミで取り上げられています。

ジェームズ・クラーグ(M.D.)は、米国精神医学会の会員、ヴァージニア精神科医会の会長であり、また、ヴァージニア地域精神科医協会の会長を4年間務めていました。現在は、精神疾患の若者を対象とした宿泊治療プログラム「リバティ・ポイント」の医療ディレクターをしています。

3. 科学的調査

刑務所の受刑者の不眠症の緩和

Criminal Justice and Behavior 5: 3–20, 1978

超越瞑想を学んだ警備厳重な刑務所の受刑者は、対照の受刑者と比較して、不眠症が減少し、睡眠の質が向上しました。

インド人の患者の不眠症の治癒

定期的な治療を受けても効果のない症状をもつインド人の患者75人(33種類の症状)が超越瞑想の指導を受け、そのうち67人は規則的な実習を続けました。
長期的には、67人のうち61人の患者が、症状の大幅な改善あるいは症状の完全な消失という結果を示し、中でも24人の患者は非常に早い時期に、劇的な、予想外の完全治癒という顕著な結果を示しました。
 [Scientific Research on TM: Collected Papers vol 3, 239, pp. 1826-1829]

管理職の行動面の健康度の向上

Dissertation Abstracts International 57(6): 4068B, 1996

医療機器の製造会社の管理職のグループが、超越瞑想プログラムを学んで3カ月後、同じ会社の対照グループと比較して、行動面の健康の度合いが向上しました。健康の度合いの向上は、規則的な運動・食事・睡眠の習慣およびアルコール消費量を尺度として測定されました。

産業労働者の夜間睡眠の改善

Japanese Journal of Public Health 37 (10 Suppl.): 729, 1990

日本の産業医学総合研究所が行った大規模な研究では、超越瞑想を学んだ427人の従業員は、同じ職場の対照グループ308人と比較して、夜の睡眠をとるときに眠りにつくのがより容易になったことが分かりました。 

管理職と従業員の睡眠の質の改善

Anxiety, Stress and Coping: An International Journal  6: 245–262, 1993

自動車産業の管理職および従業員を対象とした研究で、超越瞑想の規則的な実習を始めた従業員は、同じ職場の対照グループと比較して、睡眠の質が有意に改善しました(p<.0025)。最も顕著な効果を示したのはTMの実習を規則的に続けた従業員でした。

PTSD患者の不眠症の顕著な緩和

Journal of Counseling and Development 64: 212–215, 1985

心的外傷後ストレス障害の治療を求める患者を対象とした研究で、超越瞑想を学んだ患者は、無作為に振り分けられて心理療法を受けた患者と比較して、不眠症の有意な緩和を示しました。 

イタリアのTM実習者の抑うつと不眠症の減少

TMの規則的な実習を2年以上続けている瞑想者107人を被験者とした研究で、TMグループは対照グループと比較して、抑うつおよび不眠症の症状の有意な緩和を示した(抑うつ:p<.001、不眠症:p<.05)。
[Scientific Research on TM, Collected Papers: Vol 3, 239 pp.1830-1845]