1. TMによる若返りの効果
超越すること──若返りの効果
超越瞑想は、老化逆転の効果が科学的に実証されている唯一の瞑想法です

超越瞑想では、心と体に特別なことが起こります。例えば、科学的研究の結果、TMには老化の過程を逆転する効果があることが明らかになりました。
老化の原因は、食べ物、運動、睡眠、環境と多岐に渡りますが、なかでも精神的な側面である緊張やストレスは、大きな要因と言えます。なぜなら、心が緊張すれば、それはすぐに体の正常な働きを狂わせてしまうからです。
こうした緊張やストレスは、休暇や睡眠による休息だけは十分に解消することができません。もし、緊張やストレスが解消されずに日々蓄積されていくと、その結果として老化が加速されます。
ですから、老化を防ぐためにまず私たちがしなければならないことは、日々、溜まっていくストレスを取り除くことです。そして、ストレスを効果的に取り除く体験が超越することです。
この体験は、体に深い休息を与え、治癒力を活性化し、活力を与えます。その結果、老化の過程がゆるやかになるだけでなく、若返りの効果があることが研究によって明らかになりました。

これは信じられないことのように思われるかも知れませんが、簡単に確かめることができます。
科学者はいくつかの変数を測定することによって、私たちの年齢を言い当てることができます。というのも、私たちの「生物学的な年齢」を測定すると、たいていの場合、歴年齢(実際の年齢)と一致するからです。例えば、平均的にみると55歳の人の体は、55歳の体の働きをしているということです。
ですから、超越瞑想を行っている人たちの生物学的な年齢を測定すれば、彼らが実際にどの程度まで若返っているのかを客観的に測定することができます。
84人を対象にしたある調査では、平均して2.9年間TMを続けている人たちは生物学的な年齢が歴年齢よりも5歳若く、平均して7.1年間瞑想を続けている長期の瞑想者たちは生物学的な年齢が歴年齢よりも12年若いということが明らかになりました。
ですから、超越瞑想のために1日2回20分ずつの時間を投資すれば、後になって大きな利益を得ることができます。ただ長生きできるだけでなく、身体的にも若々しい状態で老後の人生を楽しむことができるのです。
また、実際に寿命が延びるということも科学的調査によって確かめられています。
ハーバード大学の科学者たちが行ったある調査では、平均81歳の高齢者たちをTMグループ、マインド・フルネス瞑想のグループ、メンタル・リラクセーション・テクニック(リラクセーション・レスポンス)のグループ、特に何も行わない対照グループの四つに分けました。
3カ月後にTMグループを他のグループと比較すると、知能や血圧の大きな改善が見られました。TMグループは、他のグループよりも自分たちに与えられたテクニックを楽しんで行っており、 またその効果を実感していました。

さらに、もっと大きな違いが、三年後もう一度検査を行ったときに現れました。TMグループ以外のグループでは、高齢者の多くが死亡していました(マインドフルネス瞑想では生存率が12%、リラクセーション・テクニックでは35%)。
しかし、TMグループでは全員が生存していました(p<.00025)。これらの人たちは80歳になってからTMを始めた人たちでした。もし彼らがもっと若いうちからTMを行っていたら、どんな効果が得られたでしょうか? おそらく、老化による衰えをもっと避けることができたに違いありません。
老化の程度を測定し、それによってTMの若返りの効果を確かめる方法は他にもあります。
それは、血中のDHEA-Sという物質の濃度を測定する方法です。この物質は、20歳以降は年齢とともに徐々に減少することが知られています。この物質の濃度が高ければ、その人は健康で生物学的年齢が若いと言えます。

アメリカのマハリシ国際大学とニューヨーク大学が共同で行ったある調査では、TMグループ(男性270人、女性153人)とTMをしていない対象グループ(男性799人、女性453人)のDHEA-Sの濃度が測定されました。
それによると、TMグループの人たちは対照グループの人たちよりも5歳から10歳若いことが分かりました。p値は p<.0001ですから、これは統計的に有意な差と言えます。
(p値については、「p値とは?」を参照してください)
TMの若返りの効果に関する科学的研究については、次の項目をご覧ください。
2. 研究調査:若返りとTM
CNN:TMによってPTSDを克服する

最近、CNNのニュース番組で、深刻なトラウマ性ストレスに対する超越瞑想の効果が取り上げられました。
超越瞑想は、戦争でのトラウマに苦しむイラク帰還兵の治療に大変有効であることが研究によって確かめられています。
こうした研究の結果、アメリカ国防総省が250万ドルの助成金を交付して、TMに関するより大規模な研究を行うことになりました。また、米国で最も歴史の古い士官学校であるノーウィッチ大学では、訓練の標準課程としてTMを導入しています。
心臓病患者の寿命の延長

米国の国立衛生研究所と共同で行われたこの研究では、高血圧の症状をもつ被験者を超越瞑想を学ぶグループと講習を受けるグループに分けた後、19年間にわたって死亡パターンが追跡されました。
その結果、TMグループは、対照グループと比較して、あらゆる原因による死亡率が23%低く、心臓病による死亡率が30%低いことが分かりました。
高齢者の寿命の延長

超越瞑想を学ぶグループと3つの異なる対照グループ(マインドフルネスを学ぶグループ、別の瞑想法を学ぶグループ、瞑想を行わないグループ)に無作為に割り当てられた高齢者(平均年齢80.7歳)を対象としたこの追跡研究では、超越瞑想を学んだグループは他の3つのグループよりも寿命が伸びていることが分かりました。
より健康的な加齢

中年期以後は血漿中のデヒドロエピアンドロステロンサルフェイト(DHEA-S)の濃度は健康状態と関連し、この値が高いほど健康状態は良好であると言えます。通常、20代半ばを過ぎると体内でこの物質は減少していきます。
超越瞑想を実践している人々は、対照グループと比較して、血漿中DHEA-S濃度が高いことが分かりました。このグラフは50歳以上の男性TM実践者の平均濃度を示していますが、女性実践者でも同様の結果が得られています。
高齢者の脳機能の向上

超越瞑想を実践している高齢者は、同年齢の対照グループと比較して、視覚刺激に対する脳内の反応がより速いことが分かりました。この種類の脳の反応は老化に伴って遅くなるのが普通なので、この研究結果は、TMの規則的な実践により老化過程の逆転が起こったことを示しています。