『看護師の専門家育成ジャーナル(Journal for Nurses in Professional Development)2019年2月27日』に発表された研究によると、超越瞑想のテクニックは、27名の看護師グループの「共感疲労(他者の困難な状況を思いやることでストレスを引き起こすこと)」と「燃え尽き症候群」を軽減し、さらにレジリエンス(回復力)を高めることが明らかになりました。
標準化された評価によると、4カ月間の実践後に有意な改善が見られました。
研究論文の筆頭著者であるジェニファー・ボナマー博士 (フロリダ州サラソータにあるサラソータ記念医療制度の看護専門家育成の専門医) は、次のように述べています。
「私は長年、看護師が患者や自分自身を世話するのに苦労しているのを見てきました。トラウマを抱えた人々の世話をすることは、次第に負担となり、『共感疲労』と呼ばれるものを生み出します。」
ボナマー博士は、看護師の燃え尽き症候群に対処するセルフケアの研究論文を調査し、超越瞑想が看護師の共感疲労を和らげ、仕事の困難さから立ち直る能力を高めると仮定しました。
この研究に参加した27人の看護師のほとんどは、患者と直接関わる正看護師でした。彼らは看護師として平均15.7年、現在の医療分野では平均6.5年働いていました。
共感満足度が9.2%増加し、燃え尽き症候群が18%減少
研究者たちは、30項目のアンケートを通して共感満足と共感疲労を5段階で測定する「専門家の生活の質尺度」を使用しました。その結果、超越瞑想を4カ月間実践した後、看護師たちは、共感満足度が9.2%増加し、燃え尽き症候群が18%減少しました。
レジリエンスに関しては、コナー・デビッドソン回復力尺度(レジリエンスの視点を反映した25項目の調査票)で測定しました。この調査でも、4カ月間の超越瞑想の実践後、看護師のレジリエンスは16.9%増加しました。
「これらの検査方法は幅広く使用されており、妥当性と信頼性が実証されています。この研究は、気分が良くなり、仕事をより楽しめるようになったという看護婦からの報告を定量化したものです。」(ボナマー博士)
看護におけるセルフケア手法の重要性の高まり
看護師のレジリエンスを高めるために、セルフケアの手法を積極的に活用して、看護師の仕事を支援する必要があるという認識が高まっています。
ボナマー博士は、「看護師にセルフケアの手法を与え、やりがいのある仕事をしてもらい、患者の世話を最高のものにする必要がある」と述べています。「超越瞑想は、その一歩となるでしょう。様々な研究により、ストレスを軽減し、健康や幸福を促進する効果があることが示されています。」
看護師たちは、4日間かけて2人の資格のある教師から超越瞑想を学び、その後1日2回、20分間、瞑想を実践しました。通常、午前中に1回、午後の遅い時間にもう1回実践しています。
このビデオ「介護者に内側から滋養を与える」では、看護師が超越瞑想から受けている効果について説明(英語)しています。
看護師を対象にした他の研究でも効果を証明
この研究は、看護師の心身の満足度を向上させる手法として超越瞑想を用いた2つの研究のうちの2つ目です。2018年に「人間の思いやり国際ジャーナル(International Journal for Human Caring)」に掲載された研究では、大学院で超越瞑想を4カ月間実践した看護師たちの体験が報告されています。この質的研究では、学生たちが日記をつけ、その後、研究者が「ジョルジ記述的現象学的手法」で日記を調べました。
その結果、大学院生はより今を大切に生きるようになり、バランスを取り戻し、業務の遂行能力が向上していることがわかりました。さらに、より大きな至福感、平和、誠実さを楽しんでいました。
超越瞑想法について
超越瞑想は、1日2回、20分間、目を閉じてゆったりと座った状態で行う、シンプルで自然なテクニックです。簡単に習得でき、宗教でも哲学でもなく、ライフスタイルを変える必要もありません。集中したり、心をコントロールしたり、黙想したり、思考や呼吸を観察したりすることもありません。この実践によって、活発に考える心が内側の静かな状態へと落ち着いていきます。
ソース:Transcendental Meditation reduces compassion fatigue and improves resilience for nurses