モネと瞑想

アマビエがどういう妖怪か気になっていた頃に、幸運にもちょうど NHK の「日曜美術館」で「疫病をこえて 人は何を描いてきたか」というテーマで紹介されているのを見つけました。

それ以来番組のファンになり、毎週録画して観ています。

「日曜美術館」は、子供の頃に家族揃って観ていた懐かしい御長寿番組ですが、何十年もすっかり御無沙汰していました。

 

少し前になりますが、「“楽園”を求めて〜モネとマティス 知られざる横顔〜」というテーマで私の好きなモネが特集されていました。

モネは美しい色とりどりの花の庭やジャポニズムの水の庭を作って風景を描き、マティスはエキゾチックで美しい文物を収集しインテリアやモデルの衣装にして描き、二人とも気に入った土地で自分好みの理想の楽園を作り、暮らし、画題にもした画家です。

時代は産業革命、戦争、スペイン風邪の流行と、人々の生活や社会構造、価値観が大きく変化していた時でした。

 

モネは、第一次世界大戦終結の年、フランス政府に「睡蓮」の連作(オランジュリー美術館蔵 部屋の壁面すべてが1日の時間の移ろいによって変わる睡蓮の絵)の寄贈を申し出ます。

この連作について、モネは次のように語っています。

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仕事に疲れた神経は 静かな水の広がりにしたがって 解き放たれる

この部屋訪れる人々に 花咲く水槽に囲まれて

穏やかに瞑想する安らぎの場を提供できるだろう

              (美術評論家のインタビューより)

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この言葉で、なぜモネの絵に惹かれるのか納得しました。絵画は、自分の部屋に飾っておきたくなるような美しくて心地よい感じがするものが好きなのですが、まさに私が求めているものを与えてくれます。

 

続いて、マティスの手記です。

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私が夢見るのは心配や気がかりの種のない

実業家にとっての精神安定剤

肉体の疲れを癒す よい肘掛け椅子のような芸術である

              「画家のノート」より

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瞑想も美術鑑賞も、何をどう感じたのか、分析も言語化もできないことが多いですが、心が満たされる体験をするということでは、とても似ていると思います。

100年以上も前に、絵画を通して、この楽園の安らぎと癒しを人々にシェアしてもらう事を望み、多くの作品を遺してくれた画家達に感謝です。

私も瞑想で内なる楽園に安らぎ、外側では自分の好きな物に囲まれたプチ楽園を作り楽しもうと思います。

人々にパワーを与えてくれたり、溜飲を下げたり、喜びや安らぎ、幸福や感動を与えてくれる芸術の力を再認識しました。

 

ペスト流行の後にルネサンスが花開いたように、コロナ禍が終息した頃には、私達はこの経験で得た新しい視野と価値観、技術、システムを活かし、より良い世界に進化し再生していますように!

そして、この変化の時を生きる日々に、瞑想がお役に立てますように!

 

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