タイの貧しい家庭で育った少女たちが超越瞑想を学ぶ

タイの貧しい家庭では、娘達を学校に通わせることができない。適切な教育を受けていない少女たちは、条件の悪い仕事に就いているため、虐待、エイズ、搾取、麻薬中毒の危険にさらされている。こうした少女たちに教育を与えようと助けている一つの学校が急速に成長している。

仏教の寄宿学校であるダマジャリニー・ウィッタヤ・フリースクールは、400人以上のこうした少女たちに幼稚園から高校までの教育を行っている。学校を運営しているのは、仏教徒の尼僧であり、生徒の衣服から持ち物まですべてを無料で提供している。この学校では、少女たちがよりよい人生を築き、将来の指導者となるように、仏教の教えと一般教育のカリキュラムを行い、さらに数年前から超越瞑想を取り入れ始めた。

クル・マエウ教師は、次のように述べている。

「私たちは4歳から少女たちを受け入れています。少女たちは尼僧たちとともに学校で生活しています。尼僧との生活は、少女たちの心と理性を養い、よい素行と道徳的な振る舞いを育みます。」

こうした学校の取り組みは、異なった教育の背景をもつ生徒に対して、これまで多大な労力が必要とされていた。ところが、生徒がTMを実習し始めると、そのような労力が報われるようになったとクル・ムアイ教師は話す。

「様々な地域から来ている生徒の振る舞いはとても攻撃的で、勉強にそれほど注意が向きませんでした。しかし、超越瞑想を導入し、生徒がTMの実習を始めてから、生徒の何人かは、より落ち着き、何人かは、勉強により注意が向くようになっています。

生徒には異なった教育背景があるので、彼らが一晩で変わることは期待できません。少し時間が必要です。しかし、生徒が瞑想を始めてから、その経過を観察していると、振る舞い、勉強、先生や仲間との関係といったいろいろな面で、とてもよくなっているようです。」

ある生徒は、TMを学んでからの変化を次のように話している。

「瞑想を始める前、私はすべてにおいて、とてもストレスを感じていました。友達、勉強、私をしつけている先生たちにストレスを感じていました。しかし、瞑想をしていると、私はほっとします。瞑想はストレスのレベルを下げてくれます。そうすると、いろいろなことを気にしなくなり、安心します。そして、瞑想は私に自信を与えてくれます。」

多くの生徒たちが同じような体験をしている。

「家に帰ると、私はとても怒りやすい人でした。しかし、この学校でTMを学んでからは、とても穏やかに感じます。幸せを感じます。学習能力はよくなっています。 一日中幸せに感じるのです。」

クル・マエウ教師は、生徒たちの変化を次のように話す。

「TMを導入してから、生徒はより穏やかになり、より規律正しくなりました。しかし、規律正しくなったという事は、生徒がおとなしくなったという意味ではありません。生徒は以前より活発になっています。授業では、生徒は討論に積極的に参加し、より早く知識を把握するようです。」

TMを実習する前までは、生徒たちが学習能力を競う大会に出場することはなかった。TM実習後、アチャリン・ヤイ校長は、生徒たちが学習する準備が整ったと感じ、学校の競技会にも参加させている。

「生徒の攻撃的な振る舞いは減り、学年が上がるにつれて、私たちが教えることすべてに、より注意を向けるようになっています。以前とは違い、生徒が内側の幸せを感じる時、生徒は、私たちが与える知識を何でも吸収します。

TMを導入する前、私たちは生徒を、ほとんどどの大会にも参加させませんでした。なぜなら、生徒の準備ができていないと感じたからです。 TMを導入後、生徒をどの大会に出場させても、生徒は賞をとって帰ってきます。」

生徒の一人は、次のように話している。

「瞑想する前、私は挫折感を感じ、何もしたくありませんでした。しかし、目を閉じて瞑想すると、挫折感は減り、イライラがおさまり、快適に感じます。勉強するときには、より集中できるようになっています。例えば、吟唱の大会では、より自信を持って集中することができました。」

記憶力を競う全国大会で生徒が一位を受賞した時、記者から感想を聞かれると、彼女は「一位になったのは規則的に瞑想してるからです」と、答えた。

クル・マエウ教師は、こうした生徒たちの変化に満足し、今の心境をこう話す。

「もし、TMがこの学校に導入されていなかったら、私は辞職していたでしょう。今では、この学校が大好きになりました。」

昨年のタイの大洪水による経済的な影響で、幼い少女たちは、ますます弱い立場に立たされている。この学校の受け入れる許容量もすでにいっぱいで、次年度には、 12学年になる生徒を含む、教育の機会を失った少女たちを助けることが困難になっている。こうした状況を乗り越えるために、アチャリン・ヤイ校長は、国外でも寄付を呼びかけている。

「このままでは、生徒をどこに受け入れたら良いかわかりません。なぜならもう教室用のスペースがないからです。新しい校舎の設計図は出来上がっています。校舎のための場所も用意しています。資金が集まればすぐに校舎の建設に取り掛かります。そうすれば、次年度には校舎は完成します。」

少女たちを支援するための寄付の受付は、こちら

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