トランプか、ヒラリーか:次期大統領が瞑想すべき7つの理由

著名な精神科医のノーマン・E・ローゼンタール医学博士が、米国の大統領の立候補者に向けて、彼らの状況をうまく扱うために賢明なアドヴァイスをしている。そのための秘訣が「瞑想」だった。以下は、FOX NEWS.COM に掲載された博士の呼びかけ。

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大統領に立候補するということは、想像の及ぶかぎり最もハードで、最もストレスが多く、精神を消耗する経験であると考えられている。精神科医という職業柄、私がまず考えたのは、勝利を収めた候補者に与えるとすれば、どんなアドバイスが最も役に立つだろう、ということだ。もしアドバイスを求められたら、私は、ヴィクトル・ユーゴーの「瞑想せよ。あらゆるものが光に満ちている。夜でさえもが」という言葉を引用するだろう。

何百万もの人々が瞑想の効果に気づくにつれて、瞑想の人気がますます高まってきている。瞑想にはさまざまな種類がある。私が最もよく知っているのは超越瞑想であり、私はそれを規則的に実践しているし、多くの患者たちにも推奨してきた。

以下に、私が次期大統領に瞑想すべきと提言する7つの理由を挙げてみよう(大統領からアドバイスを求められたら、の話だが)。

1. 心にゆとりをもつ

心を落ち着けたりするために瞑想は最適だ。私と同僚が600人の超越瞑想(TM)の実践者を対象に行った最近の調査は、瞑想にそのような効果があることを裏付けている。ほとんどの回答者(92%)が、瞑想を始めて以来、活動しているときにも静寂を感じるようになったと答えている。有名なヘッジファンドのオーナーであり、TMを数十年実践しているレイ・ダリオ氏は、この瞑想が彼のビジネスの交渉にもたらした効果について、次のように語っている。

「難題や、ストレスや、混乱を引き起こす事態などの問題が私のところにやってきても、落ち着きを保つことができ、まるで忍者になったかのように、それら問題がスローモーションで近づいてくるのが見えるので、明瞭な意識をもって自分をコントロールできるのです。」

緊急事態を知らせる電話が午前3時に(あるいは時間を選ばずに)飛び込んできても、私たちの次の大統領がそれくらい落ち着いて対応できるのであれば、なんと頼もしいことであろうか。

2. すばやい立ち直り

国家のリーダーたるもの、困難に直面することは避けられないが、その困難への対応次第で、ウィンストン・チャーチルのような偉大なリーダーにもなれば、凡庸なリーダーにもなる。私たちが行った調査では、回答者の95%が、瞑想を始めてからは不快な出来事から立ち直る能力が高まったと答えている。調査結果によれば、規則的に瞑想をしている被験者は、対照被験者と比較して、闘争・逃走反応をより速く静めることができる。

3. 人間関係の改善

大統領の政策がどれほど優れていても、その政策を実行するためには、大統領は他の多くの人々──議会や外部の利害関係者など──と協調して取り組む必要があるだろう。私たちの調査では、回答者の大多数(ほぼ10人中9人)が、瞑想を始めて以来、他者との人間関係が改善したと答えている。

4. 良好な健康状態を培う

最高司令官という職務はストレスに満ちているので、大統領は最高の健康状態を維持することが要求される。TMは通常のストレスへの反応を減少させ、高血圧を軽減することがわかっている。事実、米国心臓協会は最近、TMを高血圧の補完または代替療法として承認した。また、心臓血管疾患のリスクがある被験者のうち、瞑想者は非瞑想者と比較して、より良好な治療効果を上げていることがわかっている。さらに、私たちの調査の回答者の大部分(85%)は、瞑想を始めてからは日々の習慣の中でより健康的な選択をするようになったと答えている。

5. 専念と超然とのバランス

リーダーは、課題を遂行していく中で他者を触発し、元気づけ、成功に導こうとする場合、それらの人々に対して感情面の気遣いを示す必要がある。ロナルド・レーガンは大統領の任期中、気遣ってもらっていると人々に感じさせるのがとてもうまかった。同様に、ビル・クリントン大統領は、「あなたの痛みを感じる」という言葉をよく使ったことで有名だが、多くの人がそれは彼の本心であると感じていた。

その一方で、リーダーは、些細な物事にも重要な事柄にも、こだわりすぎないことが大切だ。たとえば、カーター大統領は、ホワイトハウスのテニスコートのスケジュール管理に口を出したために激しい批判を浴びた。もっと重大な局面では、リーダーは危機に際して、職務に十分に専念する必要があるが、こだわりが彼らの正しい判断を妨げないようにしなければならない。

TMに関する私たちの調査で、回答者は、瞑想を始めて以来、生活する中で前よりも物事に専念できるようになった(91%)が、物事に過度にこだわることは少なくなった(88%)という一見相反する回答をしている。

6. 本来の自分であれ

「本来の自分」であると感じることができるか否かという質問に対して、調査の回答者の大部分(90%)がイエスと答えている。嘘偽りのない本来の姿であること──あるいは本来の姿であると感じられること──は、高く評価されるリーダーの特質である。

俳優、歌手、ダンサーであり、数十年来のTMの実践者であるヒュー・ジャックマンは、本来の自分でいられることは、TMの規則的な実践をとおして受け取った最大の贈り物の一つだと語っている。彼はそのことを次のように表現した。「日々の瞑想を通して、私は、作り上げられた仮面──私自身が作り上げた大小さまざまの仮面──をはぎ取るようになったので、本来の自分でいられると感じることが多くなりました。」

俳優であるジャックマンは、「自分ではない別の仮面を着ける」機会が多いのは認めたうえで、こう付け加えた。「俳優にとって本当の実力とは、どのようなキャラクターを演じていても、あるいはそれになりきっていても、本来の自分を見失わないことなのです。」

本来の自分をしっかりと保つことは、私たちの次の大統領にとっても有益なことであると、私は提言しておきたい。

7. ゾーンに入る

私たちが実施した調査によれば、回答者の5人中4人以上が、瞑想を始めて以来、仕事の能力が向上し、より簡単に物事を成し遂げられるようになり、生産性や創造性が高まり、「ゾーン(完全に集中している状態)」に入れるようになったと答えている。

次の大統領に誰がなったとしても、彼女または彼が、上述した7つの望ましい特質をはっきり示してくれることを私は期待している。

大統領候補者のうちの誰かが、これらの特質を得るにはかなりの努力が必要だと思っているのであれば、古代の解決策がすぐそこにあると、思いきってアドバイスしたほうがいいだろうか?

ノーマン・E・ローゼンタール医学博士は、1980年代に冬期うつ病あるいは季節性情動障害(SAD)を最初に特徴づけ、その治療に光療法を先駆的に利用した精神科医・科学者である。何冊かの著書がある。最新刊に、『スーパーマインド:超越瞑想でパフォーマンスを高めて、より豊かで幸福な人生を生きる方法』(TarcherPerigee、2016年5月17日)がある。

Source:“Trump, Hillary or Sanders: Seven reasons why our next president should meditate” by Dr. Norman Rosenthal, FOX NEWS.COM