瞑想に興味をもっている人なら、「マインドフルネス」とか、「超越瞑想(TM瞑想)」という言葉を目にする機会があるかも知れません。
どちらも心を落ち着かせる方法として知られていますが、特に瞑想は体験してみないことには、その違いはまったくわからないものです。
そこでこの記事では、まだ学んでいないあなたに、これらの違いをシンプルに解説していきます。
やり方の違い──意識を集中させるか、何もしないか
マインドフルネスでは、注意を「今ここ」に戻すという練習をする瞑想法です。
例えば、呼吸に意識を向け、注意をとどめます。そして、注意が逸れて雑念が浮かんきたことに気づいたら、ここで雑念を否定せず、「あ、今自分は別のことを考えていたな」と客観的に認めます。そして、 再び呼吸に意識を戻します。
この「呼吸に戻る」というプロセスを繰り返すことで、日常生活でも感情に振り回されそうになったとき、一歩引いて冷静に対処できるようになる、というわけです。こうしたプロセスには、ある程度「意識的なコントロール」が含まれます。
一方、超越瞑想では、特定の音(マントラ)を使いながら、意識は自然に内側へと向かい、深く安らいだ状態になります。その際、何かに集中したり、思考を制御したりする必要はありません。むしろ「何もしない」「努力しない」ように勧められます。そして、毎日瞑想することで瞑想中の深く安らいだ体験が、日常の生活のなかでも定着していきます。
このことから次のように言えるでしょう。
マインドフルネスは、気づきを保つ「心の筋トレ」であり、超越瞑想は、努力のいらない「心の温泉」のようなものです。
体験の違い:観察するか、自然に静まるか
そして、この違いを海にたとえると……
- マインドフルネス:波(思考)を眺める
海の表面で、次々とやってくる波を「ああ、波が来ているな」と客観的に観察している状態です。それによって、波に左右されない強さを養います。
- 超越瞑想:海の底へと潜っていく
海の表面から静かな海底へと自然に潜っていく状態です。そこには、ただ静けさと安らぎだけがあります。
実践中の脳波を計測した研究からも、その違いは明白です。マインドフルネスの最中には「集中(ガンマ波)」や「観察(シータ波)」の脳波が現れ、超越瞑想では「深い休息」と「目覚め」が共存する脳波(アルファ波)が現れることが確認されています。
ストレスへの対処法
どちらの方法もストレス軽減に効果がありますが、その対処法は異なっています。
マインドフルネスでは、ストレスを「ありのままに感じる」ことで、感情に巻き込まれることが、次第に少なくなっていきます。
一方、超越瞑想では、睡眠よりも深いとされる休息を体験することで、神経系に蓄積された根深い疲労やストレスを解消します。
今のあなたには、どちらが必要?
どちらを選ぶにしても、今のあなたの状態に合わせて選ぶのが良いでしょう。
マインドフルネスが向いている人:
- 集中力を高め、仕事のミスを減らしたい
- 自分の感情に気づいて、反応を変えたい
- 「今ここ」に意識を向けて、この瞬間を大切にしたい
超越瞑想が向いている人:
- とにかく脳と体を深く休ませたい
- 「頑張ること」に疲れ、努力せずにリラックスしたい
- 本来の活力や元気を取り戻したい
マインドフルネスは、今この瞬間に注意を向け続ける必要があるため、ある程度の意識的なコントロールが求められます。そのため、もともと自分の思考や感情を客観視できる人や、比較的落ち着いた人にとって取り組みやすい方法と言えるでしょう。
一方で、強いストレスや疲労を感じているときには、思考や注意をコントロールすること自体が難しくなります。そんなときには、努力を必要としない超越瞑想が、心身をリセットする手軽なセルフケアとなるでしょう。
まとめ
マインドフルネスと超越瞑想は、どちらも心に働きかけるテクニックですが、そのアプローチは正反対です。
「意識を向けて今に留まる」のか。
「努力をやめてリラックスする」のか。
今のあなたが求めているのは、心を見つめる静かな気づきでしょうか。 それとも、努力のいらない休息でしょうか。
瞑想は、本来の自分に戻るためのプロセスです。ですから、今の自分にとって「無理がなく、自然に続けられるもの」が一番です。



































