日本代表の香川真司選手が所属するドイツのサッカーチーム、ドルトムントがトレーニングの一つとして瞑想を行っていると独紙「フランクフルター・ルントシャウ」が報じた。
記事によれば、チームは、リラクゼーションを目的として瞑想の専門家、バウホーファー氏を定期的に呼び、指導を受けている。バウホーファー氏は、長年にわたって超越瞑想の医学的効果を専門に研究している医師だ。
トーマス・トゥヘル監督が、バウホーファー氏と協力して超越瞑想をチームに取り入れた理由は、試合にともなう興奮した状態を落ち着かせ、選手のより良い睡眠を促し、パフォーマンスの向上につなげるためであったようだ。
2015年の就任以降、トーマス・トゥヘル監督は、選手たちが持っている本来の力を100%発揮できるように様々な方法を試してきたが、食事療法の次に取り入れてたのが瞑想だったと、現地では大きな話題となっている。
サッカーチームの監督で瞑想を利用しているのは、トゥヘル監督が初めてではない。イングランド代表チームの監督を務めていたサム・アラダイスもその一人で、彼は「1日の終わりに25分の時間をとって超越瞑想をしている」と語っている。
「瞑想すると、とても落ち着きます。TM──超越瞑想の研究結果によると、30分の瞑想は2~3時間の睡眠に匹敵するといわれています。……TMのおかげで、私は監督という仕事のプレッシャーにうまく対処できるようになりました。ですから私は今でも瞑想しているのです。」
超越瞑想は心に深い安らぎをもたらし、その静かで落ち着いた意識のなかでアスリートは最高のパフォーマンスを発揮するようだ。その研ぎ澄まされた意識状態をアスリートは「ゾーンに入る」と表現する。スペインの元サッカー選手ルベン・サンチャスは、瞑想によってゾーンに入りやすくなったと語っている。
「超越瞑想によって、流れにのる──ゾーンに入る方法を身につけることができました。瞑想は、試合中に、活動的であると同時に冷静になる能力を与えてくれます。そのため落ち着きが増し、パフォーマンスが向上するのです。」
脳機能を統合する瞑想
近年の研究では、超越瞑想は脳機能の統合を高めることが明らかになっている。この脳の統合の度合いは知能や運動能力と関係し、世界的なトップ・アスリートや経営者は、一般的なアスリートや経営者と比較して脳の統合の度合いがより高いことも確認されている。
この研究では、超越瞑想を平均7年間実践している人たちの脳の統合のレベルを測定している。その結果わかったことは、超越瞑想を規則的に実践する人たちは、世界的なトップ・アスリートや経営者に匹敵する、統合された脳機能を備えているということだ。
こうした研究から、アスリートたちが座って静かに瞑想することは、脳をトレーニングして、自分の力を最大限に発揮するための優れた方法だと言えるだろう。