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年老いた両親の介護は負担が多く、ストレスがたまるもの。そうした忙しい介護の合間に瞑想することで、ストレスから解放され、介護する人も、される人もより幸せになれる、そんな体験談をご紹介します。英国スコットランドで母親の介護をしている男性の体験談です。
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Contents
介護のストレスが限界になる前に「瞑想」で解消
母親が病気になったことを機に公務員を引退して、介護に専念することにしたオーウェンさん。仕事をしていたときのような規則正しい生活ができなくなり、彼の一日は母親の体調によって左右され、ストレスがたまるばかり。職場の同僚との関係も自然に薄れていき、孤立感がつのっていました。
そんな折り、偶然、超越瞑想に関する講演会のことを知り、それに参加します。
「講演者は自分自身の失読症について話し、大学在学中に経験した学業での問題を克服する上で、瞑想が助けになったと話していました。私も失読症だったので彼の苦しみに共感し、瞑想が彼を助けたのなら、私の問題をも助けてくれるにちがいないと思ったのです。」
講演会では、超越瞑想を行うのがいかに簡単であり、1日2回20分間、瞑想するだけでいいと聞いたので、母親の介護をしていたオーウェンさんは、自分の日課にぴったりだと感じました。そして、彼はスコットランドのグラスゴーにある超越瞑想のセンターに行き、超越瞑想を学ぶことにしたのです。
瞑想すると、落ち着いて安らぎを感じる
オーウェンさんは、瞑想を学ぶ過程があまりに簡単だったので、最初は「本当にこれでよいのだろうか」と思ったといいます。以前、彼は他の瞑想法を試したことがあり、それらは集中力や肉体面の準備が必要で、いくらか努力を要するものでした。それに対して、「TM(超越瞑想)は驚くほど簡単で、どこでも行うことができ、それでいてすぐに効果を感じた。」と言います。
「瞑想すると落ち着いて安らいだ感じがしますが、眠くはありません。そして、瞑想から出てくると、気分がすっきりして、より注意深くなり、物事に集中できるようになります。たった20分なのに、深い休息がとれた感じです。」
母が動揺しても、反応しない心構えができる
「いろいろなことにもっと気づけるようになりましたが、気持ちはゆったりとしています。たとえ母が動揺していても、それに反応しないような心構えができました。」
今では、母親の立場に立って考える余裕ができ、「母の動揺が母の不満の表れに過ぎないことがわかった」と言います。
「母の態度に反応して、すぐに口をさし挟むことがなくなり、もっと相手の話を聞けるようになりました。気持ちが落ち着いているので、不快な態度をとられても、そのイライラをすぐに静めることができます。これまではイライラを静めるのに2~3日かかっていたのが、瞑想をするだけでイライラが吹き飛ぶのです。それによって、母はもっとリラックスするようになり、父はより元気になって、家族の関係が変わりました。」
家族の絆が深まり、口論も少なくなり、家の雰囲気がもっと穏やかになったと言います。
短時間で休息がとれるから、介護が楽になる
年老いた両親の介護に疲弊する人は多くいます。いつ休みがとれるのかもわからずに働き続けるので、それは無理もありません。そんななか短時間で休息が得られる瞑想はオーウェンさんにとって、バッテリーを充電する素晴らしい方法でした。「今では、昼寝の回数が減り、夜はぐっすり眠れるようになった」と彼は言います。
「瞑想を学ぶ前は、多くの仕事をこなそうとして、いつも落ち着きなく、せかせかしていました。そうしたストレスを紛らわすために、お酒を飲み過ぎて、不健康な状態でした。」
心が落ち着いたお陰で、お酒をやめることができたとオーウェンさんは言います。
「ただお酒を飲む気がしなくなったのです。 お酒で介護の緊張感から一時的に逃れるよりも、家族の方が大切だということを学びました。今では、瞑想によって落ち着きが増したので、そうしたことにも気づけるようになりました。自分の責任をより強く感じるようになり、お金も節約できました。」
ただ走り回らない。時間を節約する
「毎日瞑想する時間をとることで、うまく対処できなかった状況が大きく改善した」と彼は言います。
「私は首のない鶏のように、ただただ走り回って、すべてを行おうとしていました。今では時間の使い方がうまくなったので、実際、瞑想する前よりも、1日の時間が増えたように感じます。介護の仕事に、超越瞑想はぴったりです。瞑想は孤立感や介護のストレスに対処するのに役立ちます。」
超越瞑想についてはこちら
ソース:Transcendental Meditation for caregivers: a personal experience