幸せの源は内側にある

1987年11月号 月間UTOPIA誌より

じゃこう牛の子供はいつもいい香りに包まれて過ごしていました。

ある日、その香りがどこから来るのか、お母さんに聞いてみました。

お母さんは「どこか、他からやってくるのではないようね。考えてみるといつもここで香りがしていたみたいよ」と答えました。

子牛はどんどん大きくなり、それにつれ香りも強くなりました。立派な大人になる頃には、香りはとてもうっとりするようなものとなり、もうこれ以上好奇心を抑えることはできません。

そこで、じゃこう牛は、このよい香りがどこからやってくるのか探しに出ようと決心したのでした。

あてもなく、あちらこちらと彷徨い歩いて、出会った者すべてに聞いてみました。

尋ねられた者は誰でもすまなそうに、「これまでそんな香りがしていたなんて知りませんでした。香りの源を突き止められたらどんなに素晴らしいことでしょう。じゃこう牛さん、こんないい香りがあったことに気づかせてくれてどうもありがとう」

じゃこう牛は昼も夜も旅を続け、休まずに歩き続けました。

4、5日も過ぎたでしょうか。とても疲れ果て、歩みが遅くなりました。ところが、歩みが遅くなるにつれて、香りはますます強くなってくるではありませんか。

そして木の下に座って休んだときには、香りはもっとも強くなりました。じゃこう牛はしばらく目を閉じてこのすばらしい香りにわれをわすれていました。

数分後、じゃこう牛は立ち上がって叫んだのです。

ああ、これがそうだったのか

とうとうじゃこう牛は、幸せの源を発見したのでした。