ロイヤル音楽大学でピアニストとして教育を受けてきたジョン・ホプキンズは、クラッシック界に背を向けてイモージェン・ヒープのキーボード奏者になることを選んだ。
その後、ソロのプロデューサーとしてキング・クレオソート、ブライアン・イーノ、コールドプレイと共に活動する。現在、ホプキンズ(39歳)は、オルタネイティブ音楽で最も高い評価を受けている、引っ張りだこの演奏者の1人だ。
FACTマガジンの最近のインタビューで、ホプキンズは、瞑想のために1日2回20分の時間を費やす理由について語っている。
──デヴィッド・リンチも、超越瞑想を行っていますが、彼から紹介されたのですか?
ホプキンズ:彼の家で、一緒にミキシングを行ったことがありますが、他にも何人か、知り合いにTMをしている人がいたんです。ティム・バージェスも超越瞑想(TM)を行っています。彼らを見ていると、リラックスした状態で、好奇心をもって人と関わっている様子が、とても魅力的に感じられました。そして、彼らから、TMをすると、複雑な状況や不必要な心配から解放されると聞いたのです。
──あなたは、心配性だったのですか?
ホプキンズ:いいえ。心配事をなくしなかったからではなく、私はもっと多くのことを成し遂げて、より大きな満足を得たかったのです。そのために私は、2001年からずっと、いろいろな瞑想法を行ってきました。例えば、クンダリーニ・ヨーガを行っていましたが、そこには非常に多くの瞑想的な要素が含まれています。また自己催眠もよく行っていました。
しかし、6カ月前に超越瞑想を始めたとき、TMはこれまで行ってきたものよりも、はるかによいものだと気づきました。クンダリーニは、1日1時間半かかりますから、いつも行うことはできませんが、TMは飛行機の中でもできますし、どこでも行うことができます。
TMでは、ある種の注意の向け方を学びます。努力したり、集中したりせずに、マントラを繰り返す方法を学ぶのです。一度それができるようになると、後はエレベーターで下っていくように、純粋な意識の状態へと入っていきます。それはとても素晴らしいものです。20分のTMの後は、2時間くらい昼寝をしたように感じます。
それによって、すべてのことが簡単に進むようになるのです。目に映るものが、色鮮やかに見えます。それは本当に不思議なことです。あらゆるものの上に特別な光の層があるかのようです。子供の頃に戻ったように感じます。それが、最初に体験したTMの素晴らしい効果です。そして、何カ月かたってくると、TMの累積的な効果にはっきり気づくようになります。
私はこれまで5〜6ヵ月間、1日2回20分間ずつ瞑想を行ってきましたが、瞑想は、どんどん良くなっています。21歳の頃に、TMと出会っていたらよかったのですが……その頃は、たくさん悩みを抱えていましたからね。しかし今でも、都会で暮らしているとストレスが多いので、TMが助けになっています。
──TM中に、音楽が浮かんでくるのですか? 演奏しているときに、あなたは瞑想状態になるのですか?
ホプキンズ:私の場合は、楽器の前で演奏しているときにだけ、インスピレーションが湧いてきます。
瞑想しているときに、すべてを包括するアイデアが出てくることはあります。しかし、もし瞑想中に音楽が浮かんできたら、音のない領域から出てきてしまいますからね。その領域のなかで何かを演奏しているときにだけ、私はその領域のなかに深く入っていくことができます。音が、私のなかで何かを引き起こすのです。瞑想は、その何かを生み出すための準備です。朝起きたときと、家に帰ったときに、私は瞑想します。その効果は累積的なものです。しかし、創造性が湧いてくるのは、作曲の最中に音を聞いているときだけです。
Source:“Asleep Versions: Jon Hopkins talks transcendental meditation, Twin Peaks and more,” by Louis Pattison, FACT Magazine