上手に歳をとる人々は、感動を与える存在である。クリント・イーストウッドは、まさにその実例だ。62歳にして、イーストウッドは彼の映画作品「許されざる者」で初めて映画のオスカーを受賞した。多くの映画製作者たちが信じているように、彼は歳をとればとるほど影響力を増し、良質な作品を作り、驚くほどクリエイティブな成功の道のりを走り続けている。
イーストウッドは現在80歳。彼が最初にオスカーを受賞して以来、15の映画作品を製作した。うち三つの作品が最優秀映画賞にノミネートされ(最近では映画「インビクタス/負けざる者たち」が二つのアカデミー賞にノミネート)、さらに、四回も最優秀映画監督、あるいは最優秀男優賞にノミネートされている。そして彼は自身の作品の音楽製作にもしばしば参加しているのだ。
この成功を支えてきたのは何であろうか? その答えは、彼のライフスタイルにありそうだ。最近発行された雑誌「GQマガジン(2009年12月号)」のインタビューでクリント・イーストウッドは、超越瞑想と呼ばれる瞑想法を40年間つづけてきた、と語っている。
──まだ、瞑想をやっているのですか?
イーストウッド:一日二回、やっています。
──瞑想にはどのような効果がありますか?
イーストウッド:すばらしい効果があります。特に仕事をしているときに、その効果を実感します。なんであれ、他に依存することなく、自分自身でできるものを私は信頼します。瞑想によって、自分の力で自分を支えることができます。ですから私は40年も瞑想をつづけてきたのです。
1970年代に、イーストウッドは、超越瞑想の創始者マハリシ・マヘーシュ・ヨーギーと共にテレビ番組に出演したことがある。そのとき初めて、彼自身も超越瞑想を実践していることを公表した。以来、イーストウッドは毎日の瞑想を静かに楽しみながら続けていたのだ。
多くの人々が、長年にわたって超越瞑想を実践している。なぜ人々は瞑想のために時間を費やすのか……。その理由は、瞑想することで、幸福感が増し、エネルギーが高まり、より大きな成長を維持できるからである。マハリシは彼の著書「超越瞑想」の中で次のように語っている。
「幸福の拡大が生命の目的です。そして進化とは幸福であることを通してやってきます。もしある人が幸せでないとしたら、その人は生命の目的を見失っています。もしその人の知性、力、創造性、平和、幸福が絶えず成長し拡大していないとしたら、その人は生命の目的そのものを見失っていることになります。生命は、鈍さや怠惰や苦しみの中で生きるようにはできていません。こういう生き方は生命の本質には属していないのです。――マハリシ」
記事:Mario Orsatti(2010.5.12)
◆退役軍人のPTSDに超越瞑想が有効であることを話すイーストウッド