アル・ジャーディンがドアを開けると、そこにビートルズの2人が立っていた。

ビートルズとビーチボーイズは1960年代に最も人気のあったバンドだったが、この二つのバンドのメンバーはみな、マハリシ・マヘーシュ・ヨーギーと出会って超越瞑想を学んでいる。

ming daiによるPixabayからの画像

ビーチボーイズのアル・ジャーディンは、ある動画の中で、ビートルズに誘われて瞑想を始めたと語っていた。以下は、cheatsheet.comに掲載された記事の抄訳である。

◆ ◆ ◆

ビートルズの中には、ギタリストのジョージ・ハリスンを筆頭に、瞑想の実践に深く関わっていた人たちがいる。あるYouTube動画の中で、ビーチボーイズのアル・ジャーディンは、超越瞑想の体験について詳しく語っていた。実は、彼は2人のビートルズに影響されて、この瞑想を始めたのだ。

UnsplashIsaiah Bekkersが撮影した写真

1960年代、ビーチボーイズはフランスのパリで行われたユニセフのイベントに招かれ、演奏を行った。その途中、イギリスのロンドンでコンサートを行ったが、その宿泊先のホテルで、ある時、ドアをノックする音が聞こえた。アル・ジャーディンがドアを開けると、そこに2人のビートルズが立っていたのだ。それはジョン・レノンとジョージ・ハリスンだった。入っていいかというので、ジャーディンはそれに応じた。

「彼らはTMと呼ばれるものについて話をしたいと言ってきたんだ。TMとは超越瞑想(transcendental mediation)の略で、彼らは、この新しい瞑想とマハリシという人物を僕に紹介してくれた。」

こうしてアル・ジャーディンとビーチボーイズは、マハリシ・マヘーシュ・ヨーギーと会うことになる。

心の静かな状態を体験

マハリシはヒマラヤで隠遁生活を送った後、自分の瞑想法を西洋社会に伝えることを決意し、アメリカのトークショーなどに出演していた。しかし、TMがアメリカで定着しなかったため、マハリシはこの瞑想法をアメリカで広めてくれる人はいないかとビートルズに尋ねた。その答えは「ビーチボーイズ」だった。

「もしかすると、ポールとリンゴがデニスの部屋のドアで、同じことをしていたかもしれない」とジャーディンは笑いながら語っていた。パリでの公演の後、カール・ウィルソン、デニス・ウィルソン、ジャーディンの3人は、ホテルから電話があり、マハリシが会いたがっているというメッセージを受け取った。

そして彼らは、実際にマハリシと会った。マハリシは、心を外側へと向けるのではなく、内側に向けることの恩恵について説明した。心を内側に向けるとは、朝と夕方に20分ほど瞑想して、心の静かな状態を体験することだ。

「私たちはいつも、自分の外側で経験を探し求めている。それは自然で普通のことだ」とジャーディンは説明していた。「だけど、自分の存在の別の面を探求するには、時には内側に入る必要がある。それはすごく素晴らしいことなんだ」。

ジャーディンは25歳の時に超越瞑想の実践を始め、今もその瞑想法を続けている。実際、ビーチボーイズはアルバム『フレンズ』の中で、『Transcendental Meditation』という曲を発表した。この曲は今でもスポティファイで20万回以上再生されている。

超越瞑想(TM)とは?

超越瞑想は、宗教とは関係のない、マントラを用いる瞑想法の一種である。

1967年に、英国で人気のテレビショー「ザ・フォレスト・プログラム」の中で、ジョン・レノンは「時々、瞑想していることさえ意識しないことがある」とその体験について語っていた。「あるときは20分間ただ座っていただけということもある。でも別の時には、全然、時間が経っていないように思える時もあるんだ。」

超越瞑想についてはこちら

ソース:John Lennon and George Harrison Showed up at Al Jardine’s Hotel Room to Convince Him of Transcendental Meditation