瞑想って本当に効くの?―長年続けた人の“若さの秘密”

「瞑想はいいらしい」ってよく耳にしますよね。でも実際のところ、どんな効果があるのか気になりませんか? 最新の研究によると、超越瞑想(Transcendental Meditation, TM)を長年続けている人は、ストレスや老化に強い体を持っていることが明らかになりました。

研究の概要

米国マハリシ国際大学の研究チームは、12~40年間、超越瞑想を続けてきた人たちを同年代の「瞑想をしていない人」と比較して、その効果を調べる研究を行いました。

主な評価項目は以下の通りです:

  • 遺伝子発現パターン
  • 認知機能(脳波による測定を含む)
  • 毛髪中のコルチゾール濃度

主な結果

  1. ストレスと老化に関わる遺伝子発現が低下
    • 特に炎症やエネルギー代謝に関連するSOCS3遺伝子の発現が抑えられていました。
  2. 認知機能の保持
    • 高齢の超越瞑想の実践者でも、情報処理速度は若年層と同じレベルを示しました。
    • 「脳統合度の指標」のスコアも、瞑想をしていないグループに比べて、有意に高い値を示しました。
  3. ストレスホルモンの低下
    • 毛髪中のコルチゾールとその前駆物質コルチゾンの比率が低く、慢性的なストレスレベルが低いことが示唆されました。
    • これはストレスに対する回復力(レジリエンス)が高い可能性を示しています。

超越瞑想ってどんな瞑想?

超越瞑想は、インドの伝統をもとに広まったシンプルな瞑想法です。

  • 1日2回、20分ずつ
  • 個々人に教えられる“マントラ”という短い音を、静かに心の中で繰り返すだけ

特別な集中力も努力もいらないので、「忙しくても続けやすい」のが人気の理由です。

ストレスに対し、しなやかな毎日へ

毛髪で調べたホルモンの量からも、超越瞑想をする人は「ストレスを受けても立ち直りが早い」傾向があると分かりました。つまり、レジリエンス(回復力)が高まるということです

もちろん、「瞑想をしたら必ず若返る!」なんて断言できるわけじゃありません。けれど、研究は確かに、長く続けることで心も体もしなやかに若く保てる可能性を示しています。

1日20分、自分だけの静かな時間。未来の自分へのちょっとしたプレゼントとして、取り入れてみるのもいいかもしれませんね。

出典:Biomolecules(2025年4月発表)