コロナウイルスによるパンデミックが、アメリカ人のメンタルヘルスに深刻な影響を与えている。そうしたストレスに対処するために、3億人のアメリカ人に超越瞑想を教えるという新しいキャンペーン活動が始まった。以下はYoga journalが紹介したその記事の一部だ。
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新型コロナウイルスによるパンデミックが激化するにつれてアメリカ国内で集団的ストレスとトラウマが高まっている。その状況に対処すべく「メディテイト・アメリカ(Meditate America)」が発足された。それは「デヴィッド・リンチ財団(David Lynch Foundation for Consciousness-Based Education and World Peace)」による新たなキャンペーン活動であり、リスクを抱えた人々に無料で瞑想が学べるよう支援するものだ。
新型コロナウィルスがアメリカ人のメンタルヘルスに与えている影響を詳述した最新のCDCレポートによると、成人の少なくとも40%が薬物乱用とメンタルヘルスの問題に苦しんでおり、31%が不安やうつ病を経験し、11%近くが自殺を考えている。一部の専門家は、長期的な心理的影響の可能性についても警告している。
アメリカ国内の人口のほぼ半数に瞑想を提供しようと試みる「メディテイト・アメリカ」の目標は高尚に聞こえるかもしれないが、デヴィッド・リンチ財団CEOのボブ・ロス氏はキャンペーンが成功することは間違いないと述べている。
例えば、スターバックス財団は最近、デヴィット・リンチ財団の「Heal the Healers Now(癒しを与えてくれる人々を今こそ癒そう)」キャンペーンの一環として、資金不足の病院に勤務する医療従事者に無料で超越瞑想を提供するため、25万ドル(約2,583万円)の助成金をデヴィット・リンチ財団に提供したと説明している。
有効性を示す大規模な臨床試験によって、瞑想を無料で学べるようにする
「メディテイト・アメリカ」は、超越瞑想の有効性を確認する科学研究への資金集めも行なっている。これまで超越瞑想に関する研究は小さな規模で行われてきた。もし今回の資金集めに成功すれば、「メディテイド・アメリカ」は、トラウマの治癒、高血圧と心臓病と脳卒中のリスクの軽減、不安とうつ病の軽減に対する超越瞑想の効果を実証する大規模研究と臨床試験を実施する予定だ。
大規模な第III相臨床試験が行われれば、超越瞑想は公的また民間の保険会社がカバーする医学的介入として認められる可能性がある。そうなれば健康保険に加入しているアメリカ人全てにとって、超越瞑想のテクニックが無料になるのだ。
「国全体がリスクにさらされ、トラウマを抱えている。」とロス氏は話す。
「過去には、医学的介入とは薬理学や外科手術のことだと考えられてきたが、今日では、鍼治療、ヨガ、瞑想などの補完的で統合的な治療法も、既に広く受け入れられている」。
「誰でも服用できて、不安の蓄積を減らしたり、中和したりできる薬や錠剤は存在しない。 これからどんな世界が訪れようとも、それに立ち向かえるように、私たちは十分なエビデンスに基づいたツールを国民に提供すべきだと考えている」とロス氏は述べていた。
興味がある方は、meditateamerica.orgで寄付方法をチェックしてみよう。
ソース:
David Lynch Wants to Make Meditation Free for 300 Million Americans
「メディテイト・アメリカ」の慈善コンサート