クリント・イーストウッドの『運び屋』は、2019年に日本でも公開され話題になった。「88歳で主演・監督までこなし、全米興行収入1億ドルを超える大ヒット作を放った映画人は、まさに空前絶後。そのイーストウッドの健康と長寿の秘訣は瞑想にある」と映画評論サイト「BANGER」に掲載されていた。以下は、その記事からの引用。
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『ダーティハリー』以後、40代で大スターとなったイーストウッドが、70年代から80年代(40代から50代)にかけて大活躍した時期に気にかけていたのは、自分の身体であり健康だったのは間違いない。
近年は「超越瞑想」を40年も続けていると公表し、デヴィッド・リンチが設立した瞑想財団へのサポートも表明している。ビートルズやザ・ビーチ・ボーイズからヒュー・ジャックマン、ケイティ・ペリーまでが実践する瞑想法(1日2回、15~20分でよいらしい)は、イーストウッドが肉体の健康だけでなく、精神の健康にも気を配っていることを示している。
確かに、身体が健康でも頭がボケていては映画は作れない。一般的に、年齢を重ねたベテラン監督ほど、内容もセリフも「くどく」なり、同じことを何度も語りたがるなあと閉口した体験がある映画ファンは多いと思う。しかし、クリント・イーストウッド映画に、そんな「くどさ」は無縁だ。……監督イーストウッドの潔さは、「ジョギング、ジム、菜食」と「超越瞑想」の賜物のようだ。
自らの“運び屋”映画人生をまとめたようにも見えた『運び屋』こそ、クリント・イーストウッド最後の主演作にふさわしいと思っていたのだが、もしかすると彼はもう一本、「超越瞑想」映画を考えているかもしれない。ジムで鍛え、瞑想し、緑茶を飲みながら……。