先週、ウォール・ストレート・ジャーナルの健康欄の第一面に、瞑想が米国の健康管理の主流になりつつあるという特集記事が掲載された。記事には、瞑想その他の心身療法が米国のプライマリ・ケア環境に組み入れられている状況について、米国のいくつかの大病院の医師たちの意見が紹介されている。
「医師が処方する:1日2回、20分間の瞑想 “Doctor’s Orders: 20 Minutes Of Meditation Twice a Day”」という見出しが付けられた記事には、不眠症、高血圧、慢性痛、過敏性腸症候群、うつ病、パニック障害、不安障害、脳損傷などのストレス関連の症状の対策や、一般的な健康維持のために、医師が患者に毎日瞑想することを勧めるケースが増えてきている、と述べられている。(見出しの「1日2回、20分間の瞑想」とは、超越瞑想の決まり文句)
以下は、その記事からの抜粋(4月16日付ウォール・ストレート・ジャーナル):
「全国の病院やクリニックで、瞑想を含めた統合医学の治療計画がだんだんと目立つようになってきた。最近の研究では、瞑想には血圧を下げたり、慢性病患者の痛みや抑うつを軽減する効果があることがわかった。昨年発表された研究では、アフリカ系米国人の心臓病患者のグループが、瞑想によって心臓発作や脳卒中のリスクを顕著に低下させた。」
「米国心臓協会が発行する雑誌『循環:心血管の質と成果』に昨年掲載された研究では、心臓病の症状をもつアフリカ系米国人の被験者のうち、超越瞑想を規則的に実践した者は、健康教育のクラスに参加した者と比較して、心臓発作や脳卒中を起こしたり、死亡する可能性が48パーセント低いという結果が示された。これらの発生件数は瞑想群では20件であったのに対して対照群では32件であった。この研究は5年以上継続され、およそ200人の患者が被験者として参加した。」
「最近行われた研究では、瞑想はテロメア(染色体の末端を覆って保護している部分。加齢に伴って短くなる)の長さに影響を与える分子変化を引き起こす可能性があることがわかった。この研究は、家族に介護されている認知症患者40人を対象に行われた。被験者の半分は瞑想を毎日短時間行い、残りの半分はリラックスする音楽を1日12分間聴いた。8週間の研究の結果、瞑想したグループはテロメア活性(テロメアの長さを調節する酵素)が43%改善したのに対し、音楽を聴いたグループは3.7%の改善であった。また瞑想群の被験者は、対照群と比較して、精神機能と認知機能が改善し、抑うつのレベルが低下した。この予備的研究は6月に『国際老年精神医学誌』に発表された。」
「政府が資金援助した研究でも、瞑想が食事療法やうつ病に及ぼす影響が調査されている。」