医学生といえば、つねに勉強・実習・試験に追われ、ストレスの多い生活を送っている印象がありますよね。実際、インドのアーユルヴェーダ医学生を対象にした最新の研究でも、疲労や睡眠の問題を抱える学生が少なくないことがわかっています。(写真はイメージ)
そんな中で超越瞑想(TM)を6カ月間実践すると、心や体がどう変わるのか? という研究が行われました。
そして、結果は想像以上に大きなものでした。
超越瞑想(TM)とは?
「努力しない瞑想」として知られるTMは、
- 集中しようとしない
- 無理に心を静めようとしない
- シンプルで続けやすい
そんな特徴を持つ瞑想法です。
1回わずか20分、静かに座るだけで“深い休息”の状態に入れるといわれています。
忙しい人ほど続けやすいのも魅力のひとつです。
医学生たちの6カ月間の変化

研究では、超越瞑想を毎日2回実践した学生の変化を半年間追跡しました。
そこで見えてきたのは、生活全体にわたるポジティブな変化でした。
この研究では、インドのDYパティルアーユルヴェーダ大学およびDr. DYパティルヴィディヤーピート研究センターのアーユルヴェーダ医学生176名が含まれ、TM群(n = 97)とコントロール群(n = 79)で構成されました。
1. イライラが減り、感情に振り回されなくなる
学生たちは、自分の感情を理解し扱う力(情動知能)が大きく向上しました。
- 些細なことでイライラしない
- 感情が暴走せず、冷静に判断できる
- 周囲とのコミュニケーションも改善
といった変化が見られ、まさに“心の余裕”が生まれた状態です。
2. ストレスがグッと軽くなる
TMを続けた学生は、3カ月でストレスが下がり、6カ月後にはさらに減少。
一方、TMをしない学生では、ストレスが増えていく傾向も見られました。
忙しさとプレッシャーの中で、短時間の瞑想がしっかりとストレスのクッションになっていたと考えられます。
3. 「疲れが取れない」が解消していった
疲労感の改善も大きなポイントです。
- 朝起きたときの重だるさが減る
- 体も気持ちも軽くなる
- 勉強への意欲が戻る
という声が上がるほど、学生たちは“エネルギーが戻る感覚”を得ていました。
4. 睡眠の質が上がり、ぐっすり眠れるように
6カ月の実践で、TMグループの多くが
- 寝つきが良くなる
- 夜中に目が覚めにくくなる
- 眠りの満足感が高まる
という変化を報告しました。
医学生のように不規則になりがちな生活では、深い休息を短時間で得られるTMはとても相性が良いのかもしれません。
なぜ瞑想だけでここまで変わるのか?
研究者たちは以下のように考察しています。
✔ 深い休息が脳の疲れを回復させる
TMは“努力を伴わない深い休息状態”を自然に引き起こします。
これがストレス処理や感情の安定に関わる脳領域の回復につながる可能性があります。
✔ 心の余裕が生まれることで悪循環が断ち切られる
ストレス → 睡眠不足 → 疲労 → さらにストレス
という負のループが、TMによって自然に抜けやすくなります。
✔ 継続するほど、内側から変化が積みあがる
この研究で特に注目すべきは、6カ月という時間をかけて変化が積み重なった点です。
瞬間的なリラックスではなく、習慣による“体質レベルの変化”が起きていた可能性があります。
忙しい人ほど効果を感じやすい理由
TMは、
- 難しい技法がいらない
- 集中力もいらない
- ただ座るだけ
- 1回20分
と、とてもシンプル。
この“やさしさ”が、習慣化の大きな味方になります。
忙しさの中でも続けられる休息習慣は、心身の回復力をぐっと高めてくれます。
まとめ:短い静けさが、生活を変えていく
今回の研究が示したのは、
「毎日のちょっとした静かな時間が、積み重なれば心と体を大きく変える」
ということです。
とくに変化が見られたのは、
- ストレス
- 疲労
- 睡眠
- 感情の安定
という、多くの人が日常で悩んでいる領域です。
「忙しくてゆっくりできない」「いつも疲れている」
そんな人ほど、TMのようにシンプルな瞑想法を試す価値があるかもしれませんね。



































