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科学的研究:心臓病
心臓病患者の寿命の延長
米国の国立衛生研究所と共同で行われたこの研究では、高血圧の症状をもつ被験者を超越瞑想を学ぶグループと講習を受けるグループに分けた後、19年間にわたって死亡パターンが追跡されました。
その結果、TMグループは、対照グループと比較して、あらゆる原因による死亡率が23%低く、心臓病による死亡率が30%低いことが分かりました。
心臓発作、脳卒中、死亡の危険性の減少
心血管疾患と診断された患者を対象としたこの無作為化対照試験では、TMを学ぶグループに無作為に割り振られた被験者は、健康講習のプログラムを受講した対照グループと比較して、5~9年の追跡調査の期間中、死亡、心臓発作、脳卒中の危険性が43%低いことが分かりました。
後に行われた分析では、TMをほぼ規則的に実践した被験者は、対照グループと比較して、死亡、心臓発作、脳卒中の危険性が61%低いことが分かりました。
高血圧患者の血圧降下
このメタ分析は、公表文献から抽出したストレス軽減および血圧に関する107件の研究が対象となっています。
このうちの17件の研究は、綿密に計画された無作為化比較試験としての標準条件を満たしており、総計960人の被験者の間で23種類の治療法が比較され、高血圧患者の治療法の分類ごとに複数の研究がなされています。
これらの研究の中で、高血圧患者の血圧降下に対して統計的に有意な影響があるのは超越瞑想だけであることが分かりました(p=.0002)。
狭心症の発作(胸痛)の減少
「心臓シンドロームX」という用語は、胸痛(狭心症)の症状があるのに冠動脈の血管造影図に異常がない患者に対して用いられます。
このような患者は、従来の抗狭心症薬を服用したり、心臓専門医から「異常はない」と保証されても、症状が続くことがよくあります。これらの患者の胸痛は、しばしば運動中に激しく発症しますが、休息中にも頻繁に起こります。そのような症状は不安定狭心症にきわめて類似しており、再入院や再検査が必要になる場合があります。
超越瞑想を3か月間毎日2回実践することで、このシンドロームをもつ患者さんの狭心症の発作がかなり減少し、運動耐性が高まり、主観的な生活の質が改善しました 。
左心室重量の減少
心臓障害に起因する死亡の重要な予測因子の1つは、左心室重量、すなわち心臓の左心室の筋肉の肥大です。この肥大は高血圧またはその他の心血管障害に対する解剖学的反応として起こる場合があります。
この研究では、血圧が正常高値の若者のうち、TMを学ぶグループに無作為に割り振られた被験者は、健康講習を受講した対照グループと比較して、4か月後、左心室重量が減少していることが分かりました。
心臓病患者の運動耐性の向上
超越瞑想の指導を受けた心臓病患者は、対照グループと比較して、運動耐性の向上を示しました。運動耐性の向上は、最大作業負荷の向上(チャートに図示)、運動時間の増大、その他の心血管測定値の改善によって測定されました。
心臓病患者の機能的能力の向上
鬱血性心不全で最近入院した患者のうち、超越瞑想の指導を受けた患者は、健康講習を受けた対照グループの患者と比較して、6か月後に機能的能力の改善を示しました。機能的能力は、6分間歩行検査、すなわち所定時間内に歩ける距離を検査することによって測定されました。
心臓病患者の収縮期血圧の降下
安定狭心症の患者を対象としたこの無作為化比較試験で、超越瞑想を16週間実践した被験者は、心臓の健康に関する講習を受けた被験者と比較して、収縮期血圧の有意な降下を示しました。
「メタボリック症候群」は、肥満症、インスリン抵抗性、脂質異常症をしばしば併発しますが、高血圧もこの症候群の構成要素の一つです。メタボリック症候群は心血管疾患の罹患率や死亡率の危険因子です。
心血管系の効率性の向上
軍士官候補生の心血管系の効率性の向上:運動前の安静時心拍数の減少
超越瞑想の指導を受けた軍士官候補生は、運動前の心血管系の効率性および安定性の向上を示しました。これは、ランニング運動を行う直前の安静時心拍数が減少したことにより確認されました。