優れた演奏家の脳は、高度に発達している

新しい研究によると、優れたクラッシック音楽の演奏家の脳は、高度に発達していることがわかった。高度に発達した脳とは、機敏さ、学習意欲、心の広さ、落ち着き、陽気さを生み出す脳のことだ。以前の研究によれば、その同じ特徴が、世界級のアスリートや、トップレベルの経営者、そして超越瞑想を実践している人々にも見られるという。(文末の研究)

このような高度に発達した脳は、音楽でも、スポーツでも、どの分野においても優れた効率性を発揮している。また、高度に発達した脳をもつ人々は、普通の人よりも至高体験──最高に満ち足りた状態の体験があることも多い。

この研究は、ノルウェーのオスロ大学のハラルド・ハルング博士、スウェーデンのウエスト大学のイボンヌ・ラグロセン博士、米国マハリシ経営大学のフレッド・トラヴィス博士によって行われた。その研究結果は、2011年の夏に「意識と認知」ジャーナルで発表されている。

脳波の計測研究では、プロの音楽家とアマチュアの音楽家の脳の電気的な活動パターンを比較した。その結果、高度に発達した脳をもつ人々の脳の活動パターンには、次のような3つの特徴が見られることがわかった。(写真はトラヴィス博士)

2)アルファ波の活動が優勢になる。アルファー波の活動は、脳が調和的に機能し、細かな事柄を一つに統合する能力と関係している。

3)脳を経済的に使っている。例えば、リラックスしているときでも、意識は機敏に目覚めているため、活動に素早く対処できる。

他にも、より高い道徳観念をもつことが研究によってわかっている。

こうした至高体験は、しばしば、非常に強い幸福と調和の感覚をともなう限界を超える体験として説明される。この研究を行ったフレッド・トラヴィス博士は、超越瞑想によって精神的な体験をしているときの脳生理は、高度なスポーツや作曲を行っているときの脳生理と非常によく似ていると話している。

そしてトラヴィス博士は、私たちの行動が、脳を変化させていると強調している。自分の脳を正しい方向に変化させたいのであれば、音楽活動を行ったり、瞑想を行うのが良い、というのだ。

もし、嫉妬深く、怒りを抱え、不親切であれば、それがあなたの脳の中で強化される。しかし、心を開いて、他の人に協力的であれば、脳の中に肯定的な変化が生み出される。そこで問題なのは、良い行動をとろうとしても、なかなか実行できないことだ。楽に座って瞑想するだけで、調和的な脳波パターンが構築されるなら、それほど簡単なことはない。そしてそれは、優秀な音楽家やアスリートたちが経験している特別な脳機能なのだ。

■アスリートの脳の研究

アスリートは厳しく、長く、つらいトレーニングを積まねばならないが、瞑想者は超越瞑想を実践するだけで脳の全体的な機能を自然に発達させていることがわかる。

文・TMブログ