ニューヨーク科学アカデミー主催で「瞑想」の研究会議が開かれる

今年1月にニューヨーク科学アカデミーの主催で「瞑想研究の進歩」と銘打った画期的な会議が開かれた。全米から瞑想について研究している研究者が集まり、マインドフルネスから座禅、気功、そして超越瞑想に至るまで、多種多様な瞑想の伝統に関する新しい研究結果が発表された。

イベントの後、筆者はこの会議の議長を務めたフレッド・トラヴィス博士と面談する光栄に浴した。トラヴィス博士は、超越瞑想が脳機能に及ぼす影響の調査を専門とする著名な脳科学研究者であり、アイオワ州フェアフィールドのマハリシ経営大学(MUM)で脳・意識・認知センターの所長を務めている。

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「これらのさまざまな種類の瞑想法を研究しているすべての研究者を一堂に集めるというのは、実に思いきった試みです。」とトラヴィス博士。「ですが主催者は、一つの共通の信念の下で私たちすべてが一致団結することを知っていました。それは、瞑想中の主観的体験や意識の成長についての私たちの理解を深めるために、科学的研究は有効な手段である、という信念です。」

プレゼンテーションの中でトラヴィス博士は、瞑想の種類が異なればその短期的・長期的な効果も異なることを示す研究を発表した。彼は2010年に執筆した論文を引用しながら、瞑想は、実践の方法および脳の関連部位のパターンに基づいて、「注意の集中」、「ありのままの自己観察」、「自動的な自己超越」の三つに分類できることを説明した。

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「これらの瞑想法は、それぞれ異なった角度から意識を探究している」と彼は言う。

「どの角度をとるかによって、瞑想者が見いだすものは異なるのです。『注意の集中』に分類されるコンパッション瞑想(慈悲の瞑想)は、脳の感情系を発達させることがわかっています。それを実践することでその人の情緒面の生活全般がより豊かに、より充実したものになります。『ありのままの自己観察』に分類されるヴィパッサナー瞑想は、状況に気を配る意識を発達させ、心身両面の健康を増進させます。」

超越瞑想プログラムは、『自動的な自己超越』に分類される瞑想法であり、ある特定のスキルを発達させたり、行動への方向付けを強めたりするものではありません。重要な点は、超越瞑想は変性意識状態をもたらすということです。他の種類の瞑想法では脳の特定の領域が変化しているのがわかりますが、超越瞑想の実践中には、脳全体にわたってアルファ波が同調しているのがわかります。超越しているとき、脳のさまざまな領域が協調し、一つの全体となって働いています。その結果として変性意識状態、すなわち純粋意識がもたらされるのです。純粋意識とは、思考のプロセスやその他の心的プロセスがなくなって、内なる自己を認識している体験です。それは第四の意識状態であり、覚醒時の意識状態とは質的に異なっています。」

トラヴィス博士によれば、どの種類の瞑想法でも、その瞑想法のもつ価値は、その実践者が日常生活の中で得ている効果の中で最も広範囲に現れる。

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「瞑想中の体験は脳機能に影響を及ぼすため、瞑想中に皆さんが練習したことは、瞑想から出てきた後、より躍動的な形となって発揮されます。超越瞑想の実践中には、皆さんは脳機能全体を活性化させています。その結果、瞑想から出てきたとき、皆さんはより忍耐強くなり、順応性が高まり、ストレスに悩まされることが少なくなります。」

トラヴィス博士をはじめとする瞑想研究の科学者たちは、5月にカリフォルニアのエサレン研究所で開かれる作業会議で引き続きこのテーマを議論する予定だ(主催:マハリシ経営大学(MUM)、純粋理性研究所(IONS)、エサレン研究所)。会議の主な目的は、すべての種類の瞑想法を評価できる測定方法について意見を一致させ、そのリストを作成することである。

「これらの会議は、瞑想研究者の間で、意識には変化の質があることを確信する根拠となっている」とトラヴィス博士は言う。

「きわめて重要なことは、それぞれの瞑想法の伝統がもつ特徴的な価値をよく理解した上で、すべての伝統が協力し合って、意識の本質をより包括的に理解できるようになるための手段を検討することです。」

フレッド・トラヴィス博士は、1990年以来、脳のパターンと意識の状態と瞑想の実践との間にみられる関係を研究し、47の論文を執筆するとともに、多くの会議で研究結果を発表してきた。

原文・CHRISTINE SCHRUM