いまや米国の多くの学校は超越瞑想を採用し、生徒たちの態度や能力を高めている。サンフランシスコ統合学区では、これまでに5つの学校で教師と生徒達が超越瞑想を実践し、成果を上げていると、QCOnline.comが報告している。以下はその記事の抄訳。
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生徒たちが教室で超越瞑想をしている学校が世界中にできている。それらの学校では暴力、不登校、ストレスが減少するとともに、生徒たちの成績、創造性、やる気が高まっていて、それらの効果は瞑想する生徒たちがもたらしたものと考えられている。
過去10年間、デヴィッド・リンチ財団は、アメリカの学校と提携して、サンフランシスコ、ロサンゼルス、ニューヨーク、シカゴ、ニューアーク、ニューヘイブン、ワシントンDC、デトロイトなどの主要都市で、非行に走る恐れのある青少年の救済のために学校へのTM導入を続けてきた。
家庭での虐待や危険な近隣地域のような劣悪な環境下で育ち、次から次へとストレスに満ちた状況にさらされて続けてきた生徒たちは、過剰ストレスに苦しんでいる。同財団とシカゴ犯罪研究所がまとめた報告書によれば、過剰ストレスを受け続けると、脳の構造と機能に永続的な変化が生じる。
報告書によれば、過剰ストレスに起因する永続的な影響下では、言語面、認知面、および社会性と情動の面のスキルの発達障害、記憶や気分に関わる機能の障害、文脈学習能力の低下、危険と安全を判別する能力の低下など影響は深刻だ。
デヴィッド・リンチ財団によれば、自殺は十代の死亡原因の第3位であり、十代の25%が不安障害に苦しみ、300万人近い子供たちが注意欠陥障害の薬物治療を受けている。
また同財団によれば、TMに関する600件以上の科学的な調査研究の結果、TMを実践している生徒たちは、学業成績や創造性、IQ、学習能力、落ち着き、健康全般が向上するとともに、不安、抑うつ、アルコールやドラッグ使用量が減少するという効果を示している。
学校内で実施される「静寂の時間」という瞑想プログラムでは、1日の授業が始まる前と終わった後に、生徒と教師が13~18分間(時間の長さは生徒の年齢に応じて異なる)静かに座っていることが求められる。
アメリカで「静寂の時間」プログラムを最初に導入した学区として、100以上の学校と5万3000人の生徒を擁するサンフランシスコ統合学区がある。
「調査結果を見れば、「静寂の時間」が生徒の能力に大きな影響を及ぼしていることがわかります」と、サンフランシスコ学区の最高責任者であるリチャード・A・カランサ氏がEメールで述べている。
「また、私たちの学区がカリフォルニアの他の大きな学区と連携して策定した新しいアカウンタビリティ基準では、生徒たちが成績を上げるだけでなく生活を改善するためには「静寂の時間」のような社会性と情動のスキルが重要であることを強調しています」と、彼は書いている。
サンフランシスコを拠点とし、湾岸地域の学校で「静寂の時間」やその他の健康面・社会面・情緒面の学習プログラムを主催している非営利団体「教育におけるウェルネスと達成センター」(cwae.org)のプログラム・ディレクターであるノア・シャクトマン氏は、その学区では2006~2007年の学年度にTMが導入されたと述べている。
最初はビジテーションバレー・ミドルスクールで開始され、現在はサンフランシスコの5つの小学校、中学校、高校で実施されている。
「「静寂の時間」プログラムには1日2回のミニ授業があり、小学校では各13分、中学校では各15分、高校では各18分の時間が割り当てられています」と、シャクトマン氏はEメールで述べている。
cwae.orgによれば、その学区では、成績評価平均点の改善、出席率の向上、停学や校内暴力の減少、生徒の不安や心理的苦痛の減少、自己尊重の向上、共通テストの成績の向上、教師と学校管理者の燃え尽き症候群やストレスの減少、心の知能指数の向上といった効果が現れている。
シカゴ大学犯罪研究室、ジョン・D&キャサリン・T・マッカーサー基金、ゲット・イン・シカゴ、およびプリッツカー・パッカー・ファミリー基金は、シカゴのスラム地区の青少年250人にTMを教え、1年間彼らに働きかけるための資金として30万ドルをデヴィッド・リンチ財団に提供した。
コネチカット州ニューヘイブンのニュー・ホライズン学校で実施されている「静寂の時間」プログラムについては、こちらを参照。
Source:“Transcendental Meditation pays off in the classroom” By Jackie Chesser, QCOnline.com