感受性が強くて敏感な「繊細さん」には瞑想は欠かせない

米国の心理学者エレイン・アーロン博士(左写真)は、「繊細さん」として知られるHSP(感受性が強く非常に敏感な人)という概念を最初に提唱した研究者です。HSPの人は、感受性が強すぎて生きずらさを感じることがある反面、その感受性を活かすことで普通の人にはない力を発揮できると言われています。

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瞑想は、感受性をうまく扱う方法

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アーロン博士自身もHSPであり、あるインタビューの中で「ご自身の感受性をうまく扱う上で、最も役に立った習慣やツールは何ですか」という質問に次のように答えていました。

「私の家は自然に囲まれていて、外で過ごすことが多いです。散歩して鳥の声を聞くのが好きですし、夫と週に3回はハイキングをしています。

しかし、私にとって間違いなく最も重要な実践は、超越瞑想(略してTM)です。1日も欠かさず行っています。心を休めて落ち着いていれば、より短時間で良い仕事ができると思います。瞑想中や瞑想後に、良いアイデアが浮かぶこともよくあります。(フォーブス, 2020年4月13日)」

ひといちばい敏感な親たち

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アーロン博士が超越瞑想に出会ったのは50年前。博士の著書「ひといちばい敏感な親たち: 子育てとHSP気質」の中で、育児に苦労した自分の体験を交えながら、瞑想を始めたきっかけを次のように説明していました。

「息子が生まれた年、私は博士課程を修了した研究者として、パリにある二部屋のアパートメントに住んでいた。毎晩、夕食を作っていると決まって息子がぐずりだし、私は足を引きずるようにしてそちらに向かった。キッチンに置かれたベビーベッドに入れると息子は泣き叫んだ。

夫が息子を別の部屋へ連れて行ってあやそうとしても、息子は私でなければ嫌がった。そのやり取りのあいだ、私は呆然として泣くか怒るか、あるいは泣きながら怒っていた。

友人の強い勧めもあって、私たちはパリで超越瞑想を学ぼうとしていたが、金欠と育児のためにとん挫していた。しかし、この状態がつづいたため、やはりTMを実践することにした。

はじめての日、私と夫が(もう一人がキッチンで息子を静かにあやすあいだ)20分交代で夜の瞑想を行ったところ、その夜は、どちらも穏やかな気持ちで過ごすことができた。これまでそんな経験はなく、まるで奇跡のようだった。以来、夫と私はTMのとりことなった。」

このときから半世紀にもわたって、アーロン博士は瞑想を続けてきたわけですが、その理由を「瞑想がもたらす深い静寂を心が喜んでいたから」と自身のブログに記していました。

ソース:Why Highly Sensitive People Make The Best Leaders, According To A Psychologist