科学的根拠に基づく超越瞑想の効果
テロメラーゼへの効果
遺伝子の発現
米国国立衛生研究所(NIH)の助成金による研究
テロメアとは、染色体の両端にある反復ヌクレオチド配列からなる部分で、染色体の末端の劣化や近隣の染色体との融合から保護をしています。テロメアが年齢と共に短くなると、染色体はその保護が失われて損傷を受けやすくなります。その結果、生理的な劣化と老化が起こります。
米国国立衛生研究所(NIH)の助成金によって行われたこの研究では、超越瞑想(略してTM)が、テロメアの長さを維持する作用をもつ酵素テロメラーゼの遺伝子発現を増加させることを示しました。図のグラフはTM(青色)をすることが健康的なライフスタイル(赤色)と同じぐらい重要であることを科学的に示しています。
その次のステップとしては、TMと健康的なライフスタイルの二つを組み合わせることが考えられます。これらの結果は、TMは生物学的年齢を減少させ、死亡率を減少させるというDNAレベルの説明を提供するものです。
掲載ジャーナル:PLOS ONEはIF(インパクトファクター)が3.057(2015年)であり、indexed by PubMed(Medline)((PubMed(MEDLINE)への採録)論文です。
※IF(インパクトファクター):その雑誌に掲載された論文が一年あたりに引用される回数の平均値で論文の影響度を表す指標
※ PubMed(MEDLINE)への採録論文:PubMed は米国国立医学図書館(NLM)のデータベース MEDLINEを中心に構成され、MEDLINE に収録される雑誌は、品質評価の委員会で コンテンツの質やピアレビューのプロセス等の基準を設け審査されており、医学分野の高品質の論文と言える。
Reference: Duraimani, Shanthi ; Schneider, Robert H. ; Randall, Otelio S. ; Nidich, Sanford I. ; Xu, Shichen ; Ketete, Muluemebet ; Rainforth, Maxwell A. ; Gaylord-King, Carolyn ; Salerno, John W. ; Fagan, John, “Effects of Lifestyle Modification on Telomerase Gene Expression in Hypertensive Patients: A Pilot Trial of Stress Reduction and Health Education Programs in African Americans”, PLOS ONE, Edited by Kathrin Eller, vol. 10, issue 11, p. e0142689, Pub Date: November 2015
DOI: 10.1371/journal.pone.0142689 Bibcode: 2015PLoSO.1042689D)
解説:土田賢省(東洋大学教授)
写真:UnsplashのNational Cancer Institute
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