ドイツのミュンヘンで生まれたウルリケ・セレックさん(左写真)は、子供の頃に体験した満ち足りた感覚を、瞑想によって取り戻すことができたと話しています。その体験談です。
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子供の頃の精神的な経験
超越瞑想という人生を変えるテクニックについてお話しする前に、私の子供の頃の体験についてお話ししたいと思います。
5歳のとき、私はある精神的な経験をしました。それは、私の人生の源点となる深遠な体験でした。内側で、他のどのような体験とも違う穏やかさ、至福、拡大した状態がありました。そして、ある瞬間、家に帰ってきたような感覚になりました。何かを恐れることも、何かを求めることもなく、完全に満ち足りていて、平和で、至福の状態でした。
その体験は長くは続きませんでしたが、それ以来、もう一度、あの拡大した状態を体験したいと強く望んでいました。
幼い頃、私はとても内気だったので、あの内面の静けさと至福だけが、私が求めていたものだったのです。
10代になっても内向的な性格は変わらず、あの平和と満ち足りた体験を取り戻したいと思っていましたが、どうしたらよいかわかりませんでした。
瞑想を学んだ15秒後、あの感覚が……
その後、故郷のミュンヘンで学生時代を過ごした20歳のとき、超越瞑想(略してTM)の教師と出会い、私に教えてくれると言ってくれました。しかし、お香やひげを生やした導師の絵に私は怖じ気づいてしまったのです。それらは、保守的な価値観を持つ内気な女の子にとって受け入れにくいものでした。
何度も学ぶのをためらいましたが、実際に体験してから判断しようと思い立ちました。
瞑想を学ぶとき、座って目を閉じて、先生からの簡単な指示に従いました。驚いたことに、たった15秒で、私が長年憧れていたあの感覚が再び戻ってきたのです。
私は家に帰ってきた
涙が頬を伝わってきたのを覚えています。私は家に帰ってきました。そして、あの平和を思い出しました。15年間味わっていなかった至福、穏やかさ、広がり、恐れのない感覚……それらは私が子供の頃からずっと憧れていたものです。
自分自身にも、世界の中にも何の問題もなく、何もかもが完璧でした。そして私は、そのすべての完璧さの中心にいたのです。私はほんの数分で、自分の内側にある完全に解放された状態へと至る鍵を与えられました。そのことに対する深い感謝の気持ちは、今でも続いています。
瞑想は人生の救命具だ
その後、私は米国アイオワ州にある数千人の瞑想者のコミュニティに移り住み、オペラ歌手や作家として活動してきました。今は、人の声には癒しの力があることを教えるワークショップを行ったり、オンラインで個別の指導を行ったりしています。
私のような生まれつき内向的な人間にとって、TMのような救命具をもたない人生を思い描くことはできません。瞑想はちょうど、自分の内なる海の底に錨を下ろすようなものです。何が起こっても、たとえハリケーンが発生しても、私はいつも嵐の目の中で生きていけるような気がします。