日々リセット──1000分の1秒の間にある永遠性の体験

ジョッシュ・ザバレラは、イベントを通して革新的考えや起業家精神を養う団体「サミット」の共同経営者・管理人だ。2008年以来、サミットは年に一回、三日間のイベント「サミット・シリーズ」を主催している。このイベントでは、起業家、音楽家、非営利団体の創立者、多くの専門分野のリーダーを引き合わせ、ビジネスや非営利の革新的事業のために10億円の寄付を集めてきた。

以下は、彼が超越瞑想の体験について書いたブログからの引用

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心を落ち着けようとしても、なかなかできるものではない。しかし、いったん心を落ち着かせる方法がわかれば、あなたの生活は劇的に変化するだろう。私は、2013年3月に超越瞑想の実践を始めた。超越瞑想を学ぶコースは4日間で、一日あたり1~2時間の講義を受けるだけでいい。

超越瞑想を行う目的は、心をはっきりさせることではない。禅や仏教の瞑想のように、考えや感情を観察することでもない。そうではなく、あなたが生み出す空間のなかに座り、リラックスするためのものだ。その20分間に、何が起ころうとも、ただあるがままにいるのだ。

それによって、心は静まり、内側の根深いストレスは解消され、創造性が高まる。そうした効果は科学的にも実証されていることから、超越瞑想は最も効果的な瞑想法の一つとみなされている。それは、ストレスを解消し、リラクゼーションをもたらし、長寿を促進するための実習だ。

私に超越瞑想を教えてくれた教師は、活動的な心を海に例えて説明してくれた。海の表面には、常に変化する大小の波の流れがあり、その奥深くには、深く、ゆったりとした、静かで落ち着いた何もない海底がある。活発に考えている心は海の表面に似ている。強い流れに常に揺り動かされ、上がったり下がったりしているが、瞑想を始めると、安らかな心の領域へと入っていき、海の底へと進んでいく。そして海の底で、心は落ち着いて、ゆったりとし、リラックスすることができるのだ。

瞑想を始めて9ヶ月になるが、もうすでに私の生活に大きな変化が現れている。自分の考え方、行動の仕方、他人との接し方に、はっきりとした違いが見られるのだ。毎日の生活のなかで、厄介事が少なくなり、それらはたいした問題ではなくなった。

また、これまで嫌いだった人々を受け入れることができるようになった。以前は、「俺のやり方に従えないなら、出て行ってくれ」という態度を大切にし、それを誇りにしていた。そうした態度に苛立っていた多くの人々からも、好かれるようになった。少しエゴがなくなったようだ。それは恐らく、私の人生に起こったことの中でも最高のことだ。なぜなら、エゴが少なくなればなるほど、本当の人生を生き始めたからだ。

超越瞑想によって、私は、考えてから行動するまでのあいだに、間(ま)をもつことができるようになった。この部分をもう一度読んで欲しい。「超越瞑想によって、私は、考えてから行動するまでのあいだに、間(ま)をもつことができるようになった。」──それは、すごいことなんだ。瞑想を始める前は、ある人に否定的な印象をもつと、私はその人に無愛想で厳しい反応を示した。しかし今は、同じ状況が起こっても、そこには静かな間があり、穏やかな空間がある。考えてから行動するまでの間(ま)は、わずか1000分の1秒かもしれないが、永遠に続くようにも感じられる。そのとき、自分の反応の仕方を選ぶことができるんだ。いま、それが自分の本当の力になっている。

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ジョッシュ・ザバレラは、サミット・シリーズのリーダーの一人である。サミット・シリーズとは、ファースト・カンパニーが「次のテッド」と呼ぶ新しい発想のための公開討論の場だ。それを、フォーブス・コムは、「最先端のダボス会議」と名付けている。

2013年10月、ジョッシュは、サミットを運営する献身的な活動が評価され、人気の男性誌「GQ:紳士の季刊誌」が主催する2013年の「リーダー賞」を受賞した。その賞は、現代の男性にとって重要な問題に人々の注意をひくことを目的としている。

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その賞は、受賞者に栄誉を与えるだけでなく、多額の賞金を授与して、その人が好む慈善事業に寄付できるようにしている。ジョッシュは、その賞金をデヴィッド・リンチ財団に寄付することを選んだ。

「2013年のリーダー賞の賞金は、デヴィッド・リンチ財団に寄付しました。退役軍人や問題を抱える若者に超越瞑想を教えるという彼らの努力を支援するためです。それによって、そうした支援が継続することを願っています。」

原文・Mario Orsatti