エミー賞の受賞者である米国のコメディアン、ビル・ヘイダーは、あるインタビューの中で、超越瞑想によってパニック発作を克服できたと語っている。以下はそのインタビューの抄訳。
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ビル・ヘイダーは、アメリカのコメディ界で最も面白い俳優の一人だ。NBCテレビ「サタデー・ナイト・ライブ」やHBOのヒット番組「バリー」では主演を務め、エミー賞のコメディ部門で2年連続の最優秀主演賞を受賞している。
そうした華々しい成功の影で、彼は不安やパニック発作に悩まされてきた。そんな彼が心を落ち着かせるために行っていたのが超越瞑想だ。5年間、瞑想を続けることで、恐怖感が次第に薄らいでいったとヘイダーは語っていた。
生放送の舞台裏でパニック発作
──「サタデー・ナイト・ライブ」での最初の4年間は楽しくなかったとおっしゃっていましたが、なぜですか?
ビル・ヘイダー:私は怖かったのです。毎回、ひどいパニック発作に襲われ、前の晩は眠れませんでした。テレビで生放送されることがわかっていたので、プレッシャーを感じていたのです。実際、ステフォンのキャラクターを演じたとき、緊張のあまり手で顔を覆い隠していたほどです。
──不安や緊張をどう乗り越えたのですか?
ビル・ヘイダー:友達は、「薬を飲んだほうがいい」とか「これを吸えば、楽になるぞ」と言ってくれました。僕は「そうかな」と言って、ザナックスなどを飲んでみたのですが、薬の服用をやめた後が大変でした。子供と一緒にマーケットに行ったとき、子供から「パパ、なんで泣いてるの?」と聞かれました。自分では気づかなかったのですが、そのとき私は泣いていたのです。
瞑想で創造性という「大きな魚」を捕まえる
──超越瞑想は、どのようにして知ったのですか?
ビル・ヘイダー:私はデヴィッド・リンチの大ファンで、たまたま彼の『大きな魚をつかまえよう』のオーディオブックを聴いていたら超越瞑想について話していたんです。それで「やってみようか」と思いました。
マンハッタンにある超越瞑想のセンターに行って学びましたが、それはとてもシンプルで、誰かに歯の磨き方を教えてもらったような感じです。私はすぐに瞑想に馴染んで、心の明瞭さや落ち着きを感じました。そして、恐怖心が薄れていったのです。全国放送の最中に、へまをするかもしれないという危機感はまだありますが、「もしそうなったとしても大丈夫だ。きっと何とかなる。」という感覚が得られました。
──そうした落ち着いた感覚によって、受け身になったり、創造性が失われたりしませんか?
ビル・ヘイダー:その逆ですね。自然に心が落ち着いているときには、予想もしなかったような面白いことが起こります。それをうまくとらえて、その先どうなるのか見てみるのです。でも、緊張しているとそうはいきません。
ソース:Bill Hader, Reggie Watts and Others Share Support for David Lynch Foundation