6人の子供をもつワーキング・ママの私が、内面の安らぎと満足を得るまでの道のり

数年前、私は企業に勤務するワーキング・ママとして速いペースの生活を送っていた。それは外から見れば、アメリカンドリームを生きているような、申し分のない生活に見えたかもしれない。

当時、夫のダリルと私の間には7歳を筆頭に4人の素晴らしい子供たちがいた(現在は6人になっている)。私たち家族はハワイで暮らしたあと、ミシガン湖から1.6キロ離れた1200坪の敷地に建つ広さ370平方メートルの家に住んでいた。

しかし、私の内面には、あの平和、あの繋がりが欠けていた。今だからわかるが、私は人生の真の意味を見失っていたのだ。私は、もっと大きな、もっと質の高い、もっと多くの幸福を追い求めることに汲々としていた。夫と私は、良い家をもち、良い車をもち、良い仕事をもっていた。外からは申し分のない境遇に見えていたかもしれないが、この世界で外側をどれほど豊かにしても、私が探し求めていた内面の平和と満足を生み出せないことは少しずつわかってきた。どんなことをしても、私たちが築いたライフスタイルを維持するためのプレッシャーとストレスがますます大きくなるのだ。

このペースの速いランニングマシンから降りることが私の新たな中心課題となった。朝5時に起きてトレーニングをし、シャワーを浴び、仕事の準備をすることは、うんざりする、満足感のないものになっていった。それに、わが家では一番上の子をホームスクーリングで教育していたので、私は早朝に履修課程に目を通し、その日に何をすべきかを頭に入れておこうと努力した。

その後、パターソン・デンタル・サプライ・カンパニーのデンタル・コンサルタントとしての仕事に出かけ、15年間に関係を築きあげた地元顧客を訪問した。夕方になると、私は写真の撮影(私のもう一つの関心事)に出かけ、家に帰り、夫が子供たちを寝かしつけるのを手伝い、それから翌日のプロポーザルの準備をした。平和と繋がりを創るための時間はあまりなかった。

私は自分の職業をとても愛していたが、子供たちと一緒に過ごすもっと多くの時間を渇望していた。夫のダリルは、ライフコーチングとモチベーションスピーキングを提供する自分の会社を経営するかたわら、ロビンス・リサーチ(トニー・ロビンス)社との契約で毎月多いときで70人の顧客をコーチをしたり、Monster.comと契約した講演の仕事で旅行に出かけたりしていた。

今この瞬間を生きることが、私にはほとんどなかった。私の心は、次にやらねばならないことを絶え間なく考えていた。私はいつも、すべてのことをやり終えたら、いくらかの安らぎを感じるだろう、と思っていた。しかし、いつもいつも、やらなければならないこと(子供たちのことや、デンタル・ビジネス、健康教育、写真など)が次々と出てきた。私はできる限りのことをしていたにも関わらず、私の仕事や私の家族に対して十分なことをしていないと感じることが多かった。

TMで内面の落ち着きをみつける

超越瞑想のテクニックを学ぶという簡単な決意が私たちの生活をどれほど変えることになるか、私たちはまったく知らなかった。ストレスを減らして健康を改善し、内面の安らぎと明晰さを生み出すというコンセプトは私たちの興味を引いた。私たちは自分の肉体に正しい食物を与えるようにしていたが、自分の心のためには何もしていなかった。4人の幼い子供たちをもつ私たちにとって、TMは、神経を落ち着けてペースを落とすために本当に必要なものなのだと感じた

2009年1月にカウアイでTM(超越瞑想)を習い、1日2回規則的に実習を行い、オアフでTMの週末レジデンスコースに参加した後、私は、探し求めていた内面の安らぎを感じるようになってきた。私たちが出会った、長年瞑想を続けてきた人々は、私の知っているほとんどの人々よりも落ち着いて、存在感があるように見えた。このことは、私自身が内面の落ち着きと明晰さを体験したことと共に、規則的に瞑想を続ける必要があることを示す疑いようのない証拠となった。

数カ月間規則的に瞑想を続けた後、私のキャリアを方向転換する必要があると、はっきりと感じるようになってきた。家族と一緒により多くの時間を過ごすシンプルな生活をしたいと思うようになったのだ。

2009年5月、私たちはアイオワのフェアフィールドを訪れた。TMをしている人々の間で絶賛されているこの場所の何が特別なのかを確かめにきたのだ。一見したところ、その町は特に違ったところはないように思えた。だが、そこの住民との出会いが始まってからはその違いがわかってきた。その町には、平和と、落ち着きと、シンプルさがあった。私たちはマハリシ・スクールを見学したが、生徒たちは1日2回、瞑想をして、ヨガをやっていた。食堂で出されるのはすべてベジタリアン料理で、遺伝子組み換え食品は一切使われていない。

生徒たちは、標準の学科に加えて、持続可能性やガーデニング、アーユルヴェーダの健康管理など、私の知らなかったことも学んでいた。教師たちは、テストの点数で生徒にレッテルを貼るのではなく、生徒の長所や関心に基づいて生徒たちを育て上げているのがわかった。だが、生徒たちは、私が予想していたように学業成績が劣っているわけではなく、実際には、共通テストで高得点を上げ、科学、歴史、演劇、美術、創造性の分野で州レベルや全国レベルの賞をたくさん獲得しているのだ。

この町の住人たちはとても存在感があるように見え、そして私たちの家族と気軽に会話を始めてくれた。私たちがレストランに入ったときでさえ、まったく見知らぬ人たちが私たちに微笑みかけ、心を開いて私たちの子供たちを迎え入れてくれた。普通なら、4人の幼い子供を連れてレストランに入ると、そこにいる人たちが「私たちのそばに座らないでくれ。どうか私たちの隣に座らないでくれ」と思っているのを感じることがある。そういう人たちは子供が放つ途方もないエネルギーが好きではないのだ。

子供たちを育てるにはなんて素晴らしい場所だろうと、私は思った。いつかそうしよう。しかし、家に戻る8時間のドライブの間、私たちが本当に欲していることは何であるかを熟慮する時間がたっぷりあったので、ミシガンに着くまでには、我が家を売りに出そうという決意が固まっていた。

フェアフィールドで安らぎに満ちた生活をみつける

私たちが引っ越しをしたとき、子供たちは1歳、3歳、5歳、7歳で、私は5人目の子を身ごもっていた。家は(2009年秋の時点では)まだ売りに出していなかったが、私たちはすでに引っ越すことを決めていた。そのあと2010年4月に、元はとれなかったけれど家が売れた。財政面では私たちは大きく後退した。私たちは収入の75パーセントを断念したが、それと同時に、学校の授業料と健康保険を自己負担で支払わねばならなくなったので支出は増大した。

私たちの支出と収入の間には大きなギャップがあった。そうであっても、私たちは、私たちにとって何が大切なのかをとてもはっきりと感じていたし、それを実現するための正しい道を希望に満ちて歩いていると感じていた。私たちは、毎日、大好きなことをして暮らしを立てることができるという希望の波に乗っていた。私にとって、それは写真であり、ダリルにとって、それはコーチングとスピーキングだ。

私はよりクリエイティブな写真家に成長し、今では光の扱いが理解できるようになったが、それはTMのおかげだと認めなければならない。私の写真はもう単なる趣味ではなくなった。それは生活費を稼げる職業へと発展したのだ。そのおかげで私は、コマーシャルやファッション関連の仕事で旅行をしながら、その費用を十分に埋め合わせる報酬を得られるようになった。写真を通して私は映画に対する興味が増していたのだが、「企業で働く」ことを諦めたことで、その世界を探求する時間をもつことができた。

私は現在、この世界の意識のレベルを上げる映画の制作に携わり、その映画に出演もしている。すでに、とても才能のある撮影カメラマンたちと一緒に仕事をする機会をもてたことで、私の仕事は確実に私の夢の職業になってきている。TMを始める前は、自分が大好きなことをして暮らしを立てられるなんて、あまり信じていなかった。今、私はそれをしている。幼い子供にふたたび戻ったような気分だ。

一緒に瞑想を学んだことで、私たちの結婚生活はより強固なものになった。互いの存在感と、結びついている感覚を深めることができたからだ。私たちは瞑想を始める前から良い結婚生活を送っていたが、速いペースで生活していたため、結びつきを深めたり、同じ瞬間を共有したりするための時間がほとんどなかった。今、私たちは、幸せなことに、過度に働いたり、大食いをしたり、アルコールに頼ったりといった自己療法とは対照的な、素晴らしいストレス解消のツールをもっている。地に足を着け、自己に集中するための健康的な方法を手にしているだ。

健康的なライフスタイルの模範になることは、子供たちの現在そして将来の利益のために私たちがしてあげたいことの一つだ。もちろん、私は子供たちと一緒に過ごす時間は多くなり、私たちが共有する時間を本当に楽しんでいる。私は子供たちのために母親らしいことができるようになり、私が料理した食事で彼らに栄養を与えている。(前は料理をする時間は滅多になかった)。私の忍耐力は高まり、細々とした物事を広い視野でとらえれるようになっている。

私たちの子供たちもマハリシ・スクールと自宅で瞑想している。子供たちは(ほとんどいつも)チームとなって皆一緒に行動している。私は、このとても支援的なコミュニティの他の人たちから、私の子供たちが活発に行動する様子は見ていて楽しいという話を聞いたことがある。その人たちは、学校や町の中で兄弟姉妹が互いに世話をしているのを見ている。彼らが醸し出す統一感はとても強いのだ。

彼らはもともと素晴らしい子供たちだった。以前も問題があったわけではないが、いま彼らは一層結びつきを深めていると私は感じている。子供たちがまだ幼い間に、そして、私が子供たちとの有意義な関係を築く機会を失ってしまう前に、私の人生にこのような大きな変化を生み出せたことに感謝している。以前も私たちは酷い両親ではなかったけれど、子供たちが私たちのストレスの多くを受け取って、それを彼ら自身のストレスにしていただろうことは、今でははっきりとわかる。

人々が私を落ち着いた母親だと評するのを聞くとき、それはとても興味深いことだと思う。TMを始める前は、私を評するのに「落ち着いた」という形容詞を使う人はいなかったと思う。ただの一人もだ。私はA型人間、つまり行動型の人間であったし、常に目標の達成を目指すタイプだったので、私に落ち着きなどなかったのだ。

しかし、私は落ち着きがずっと増して、心がより穏やかになっているのを感じている。それは内面の劇的な変化だ。その変化が外面にも現れないなんてことがあるだろうか? 私は何の努力もしていない。私がやったことは、「存在すること」、つまり、毎日の瞑想の中で内なる平和を体験すること、それがすべてだった。

Source:How I Found Inner Peace, Clarity, and Connection As a Working Mother of Six Beautiful Children by JULIET BIROS JARMOSCO, TM Magazine