高血圧

TMによる高血圧の効果

アメリカ心臓協会(AHA)は、40年間にわたって血圧を下げるためのあらゆる代替的アプローチを調査してきました。

そして2014年4月22日に公表した報告書で、「実際に血圧を下げる効果が実証されたのは、TMテクニックだけだった」と結論づけ、高血圧の一つの治療法として医師たちがTMを利用することを公式に認めました。

どうして簡単な瞑想法で血圧が下がるのか?

一般的に、緊張すると血圧が上がるということが知られています。TMによって超越を体験するときには、深いリラクセーションを体験しますから、血圧は自然に下がっていきます。そして、体に備わる強力な自己治癒力が目覚めて、体は正しく機能できるようになります。
(詳しくは、「超越すること──体の治癒力を目覚めさせる」を参照してください)

TMを規則的に続けていると、活動しているときであってもリラックスしていられるようになり、常に低い血圧の状態が保たれるようになるのです。

このことは、血漿中の乳酸塩(高血圧に関係しているストレス物質の一つ)を測定することによって測定できます。

31件の異なるTMの研究を分析した結果、TM中に血漿中の乳酸塩が大きく減少することが分かりました。それはリラクセーションや睡眠中の減少よりも大きな減少でした。また、3〜4カ月TMを続けた後では、TMを行っていないときにも乳酸塩は低レベルに留まっていました。

よい副作用

薬でも血圧を下げることができますが、薬は費用がかかり、様々な副作用があります。また、多くの場合、薬はただ症状を抑えるだけで、真の問題解決にはなりません。

例えば、薬を止めると普通はすぐに血圧が上がってしまいます。それに対して、超越の効果は継続することが分かっています。心をその源へと導いて、体に自分を癒す機会を与えるこで、健康、幸福、人間関係、業績の向上など、人生のあらゆる面が改善します。

高血圧に対するTMの効果:科学的な研究

高血圧に対するTMの研究は、次の2つの点で優れているといえます。
1. 高血圧は治療が難しいのですが、高血圧に対するTMの研究では、はっきりした結果が現れました。
2. 高血圧に対するTMの効果は、非常に高い質の研究によって確認されています。

米国国立衛生研究所(NIH)は、アメリカ政府の研究機関の一つであり、研究の質が非常に高いことで知られています。

NIHが助成金を出すのは最も質の高い研究に限られていますが、超越瞑想の研究に対しては、これまでに2400万ドル以上の助成金を交付してきました。そうした援助によって、心血管疾患の最大のリスク要因である高血圧、インスリン抵抗性、動脈硬化に対するTMの効果に関する研究調査が行われてきました。

例えば、こちらは127人のアフリカ系アメリカ人を対象にした研究です。研究を開始した時点での被験者の平均血圧は、179/104 mmHgでした。

被験者たちはTMを行うグループ、リラクセーション・テクニック(段階的筋弛緩法)を行うグループ、生活スタイルの重要性についての健康教育を受けるグループの3つのグループに無作為に分けられました。研究者は、どの被験者がどのグループに入っているか知らされませんでした。

Hypertension 26: 820–827, 1995

3カ月後、TMグループの血圧は10.7/6.4 mmHg下がりましたが、対照グループでは大きな変化は見られませんでした(p<.0003/p*p値とは?)。リラクセーション・グループもわずかな血圧の減少が見られましたが、その減少はTMグループの1/3程度でした。

超越瞑想が唯一の効果的な代替療法

Current Hypertension Reports 9: 520–528, 2007

次の研究は、NIHから研究助成金を得て行われたメタ分析です。超越瞑想や他のストレス軽減法に関して行われた全ての研究の平均的な効果を計算しました。

その結果、高血圧に対して統計的に有意な効果が現れたのはTMのみであることが判明しました(平均 -5 mmHg p<.0002)。この研究結果は『Current Hypertension Reports 9: 520–528, 2007』に発表されました。リンク先で論文(英語)をご覧いただけます。

この研究で得られたTMの効果は、最初の研究結果ほど大きくありませんでした。なぜなら、最初の研究は血圧が非常に高い人たちを対象にしていたのに対し、TMに関する多くの研究は血圧がそれほど高くない人たちを対象にしていたからです。

TMに関する研究では、深刻な症状を抱えている人ほど、効果がはっきり現れるという傾向があります。例えば、TMには神経系全体のバランスを回復する効果がありますが、神経系のバランスが乱れている人ほど、その効果ははっきりと現れます。

他にも、NIHの研究によって次のことが判明しました。

  1. 多くのTM実践者たちは、高血圧の薬を減らしたり止めたりしても、血圧が上がることはなかった。
  2. TMは若者たちの高血圧の改善にも効果がある。
  3. TMにはインスリン抵抗性を減らす効果がある。
    (詳しくは、「糖尿病」を参照してください)
  4. 心臓病の患者を9年間追跡調査した結果、TMグループの心臓発作、脳卒中、死亡の件数は一般の人たちよりも43%少なかった。TMを規則的に行っている人だけを対象にすると、心臓発作、脳卒中、死亡の件数は一般の人たちより61%も少なかった。
    (詳しくは、「心臓病の科学的研究」を参照してください)
  5. TMのグループには、動脈硬化の減少が見られた。
    (詳しくは、「動脈硬化」を参照してください)

高血圧に対するTMの効果を調査した研究は、これまで30件以上行われてきました。これらの研究によって、世界各地で異なる年齢層の人々に対しても、同じ効果が現れることが確認されました。それらの研究については科学的調査を参照してください。

NIHの研究(発表された論文)についてはリンク先をご覧ください。(日本語訳はこちら

医師たちもTMを推薦

NIHの研究結果を見て、アメリカで最も影響力のある心臓外科医メフメット・オズ医師も超越瞑想を推薦するようになりました。 

アメリカで最も影響力のある医師がTMを推薦

この動画の中でオズ医師は、高血圧、高コレステロール、糖尿病という心臓病の3大リスク要因に対するTMの効果について解説しています。

高血圧に対するTMの効果のより詳しい情報は、次の「医師が質問に答える高血圧とTM」をご覧ください。

医師が解説! 超越瞑想が高血圧を改善するメカニズムとは?

バーンズ博士:高血圧の発現にはストレスが関与しています。それについては、血圧の疫学的研究、血圧と生理と日常の出来事の間の関係についての自然的研究、行動刺激に対する心臓血管と神経内分泌の反応についての実験的研究を通して実証されています。

心と身体にはきわめて密接な結びつきがあります。超越瞑想を実践すると、心がリラックスして安らぐと同時に、内面がはっきり目覚めるという主観的体験が得られます。

瞑想の反応はとても速やかに起こり、その効果は瞑想を開始してから15〜30分後にもっともはっきりと感じられます。精神的なリラックスは生理のリラックスを導き出します。つまり、心が落ち着くと、身体は深い休息を得るのです。

バーンズ博士: 環境のストレスや心理的ストレスに慢性的にさらされていると、交感神経系はストレスに対して急激な興奮を起こしやすくなり、その結果、神経系の生化学のバランスに乱れが生じます。
このような変化はストレスへの過剰反応を引き起こします。その証拠となるのが血管の収縮や血圧の上昇です。

超越瞑想の実践はストレスを軽減しますが、こうした穏やかな要因は交感神経系に影響を与え、その結果、急性のストレスに対する血圧の反応が減少します。
また長期的には、深刻な出来事に対する心臓血管の反応が減少するため、心臓の負荷が軽減され、血圧値が低下し、その結果として高血圧の早期の発症が予防されます。
どのようにしてTMがストレスを軽減し、ストレスへの抵抗力を高めるのかについては、「ストレスの解消」をご覧ください。

バーンズ博士:効果がすぐに現れることもありますが、効果の現れ方は人によって異なるので、どれくらい続ければ血圧が下がるかを正確に予測することはできません。
研究の結果では、血圧が非常に高い人の場合、たいていは1〜2か月以内に血圧の有意な低下を示しています。

カプラン博士:十代の青少年を対象にした研究(2004年に『アメリカン・ジャーナル・オブ・ハイパーテンション』で発表)や、高年齢の成人を対象にした研究(1999年に『ハイパーテンション』で発表)など、いくつもの研究が行われた結果、1日2回の超越瞑想を始めれば、わずか数か月後に高血圧の症状が緩和することが証明されました。
抗高血圧薬が必要になる回数が減り、時にはまったく不要になった例も見られました。ですが、治療を受けている間にTMの実践を始めた患者は、その後も定期的に医師の診察を受けて、血圧が下がっているのを確かめながら、治療を継続すべきかどうかを医師と相談する必要があります。

カプラン博士:『ストローク』誌に発表された画期的な研究では、超越瞑想を規則的に実践すれば、頸動脈壁の肥厚(動脈硬化の警告兆候)が緩和されることがわかりました。

バーンズ博士:世界の人口の研究では、2025年までに成人人口の26.4パーセントが高血圧になると推定されています。つまり、今よりも約60パーセント増加して総計15億6000万人になるという予測です。ですから、高血圧は健康管理の分野における世界規模の重要課題であり、こうした状況を防止し、対処することが最優先なのです。

超越瞑想のような血圧を低下させる手法が一般に広く利用されれば、健康管理に大きな影響を与えることができるというのは、魅力的な考え方です。この考え方を実証するには長期的な研究が必要ですが、血圧の分布がたとえわずかでも下方にシフトし、成人人口全体でそれが維持されれば、高血圧とそれに関連する心血管系疾患のリスクが大幅に減少することが期待されます。

バーンズ博士:高齢、遺伝性素因、太りすぎ、ほとんど運動しない生活習慣といった要因と、それに加えて塩分やナトリウムの摂りすぎなどの食事面の要因が、高血圧の原因であると一般に考えられています。

また、慢性および急性の心理的・環境的ストレッサーに曝されていると、心臓血管がストレスに過剰反応を起こし、それが高血圧の発現にとりわけ大きな役割を果たしているという仮説もあります。

このような理由から、超越瞑想のようなストレス軽減のための技法を規則的に実践することはきわめて有効であると考えられています。

ストレスに対する反応として血圧の過度の上昇が持続的に起こる場合、当然、それに伴って心筋と血管壁に緊張が生じます。

超越瞑想の実践を長期間続けると、副次的効果として心血管系の構造の適応力が高まるという仮説が立てられています。つまり、心筋壁と血管壁の緊張が正常に戻るような形で血管壁と心筋壁が改造されるということです。

これらの結果は、特に超越瞑想に関係するものであり、他の瞑想法には当てはまらないかもしれません。すべての瞑想法が同じように機能するとはかぎらないからです。

超越瞑想とは、1日2回20分間ずつ、ゆったり座って目を閉じて行う簡単で自然な方法であると説明されます。超越瞑想の起源は古代ヴェーダの健康法にあります。それは宗教ではなく、個人の信仰、ライフスタイル、哲学を変えることは要求されません。

バーンズ博士:ジェブニング博士と彼の同僚による論評記事(『神経科学と行動生物学の概観』1992年)によると、超越瞑想の体験は、覚醒と代謝低下の統合的反応を特徴とする生理状態を引き起こします。

研究では、末梢筋肉と赤血球の代謝が低下するとともに、ストレスホルモンの分泌も減少することが報告されています。体が深く休息していることを示すこれらの特徴は、脳波計を用いた研究でも測定されています。さらに、呼吸数、血中乳酸値、皮膚電気抵抗値が減少するという研究結果も報告されています。

言い換えると、超越瞑想を実践すれば、より単純でより落ち着いた意識の状態を体験し、その状態になるとストレスホルモン値が低下します。慢性のストレスがホルモン値に与える影響は十分に実証されてきました。

瞑想はストレスホルモンの分泌にすばやく影響を与えます。例えば、瞑想中はストレスホルモンの活性化が抑えられ、それが長期にわたって続くこともあります。このように、科学的研究によって、超越瞑想の規則的な実践が、高血圧患者の血圧を下げる助けとなることがわかっています。

バーンズ博士:超越瞑想プログラムはだれにでも効果があり、初めて瞑想したときから効果が出るのが普通ですが、効果が現れるまでにしばらくかかる場合もあります。

ストレスは高血圧に関連していることが多く、高血圧は心臓病の危険因子にもなります。超越瞑想を毎日2回実践すれば、血圧が下げる可能性があります。超越瞑想を実践してストレスと高血圧が十分に低下すれば、薬物療法をやめたり、服用量を減らすことが可能になるかもしれません。

医師は、薬剤を処方する前の最初の治療段階として超越瞑想を利用することも、あるいは、薬物療法に対する補助的な治療法として利用することもできます。

バーンズ博士:それは、患者さんを診察している医師が一定の基準(例えば、患者の血圧が少なくとも3回連続で正常値に達した場合)に従って決めるべきことです。
患者さんが自分の判断で薬物療法をやめる時期を決めるべきではありません。患者さんを診察している医師は明確な治療目標を立てている場合があるので、患者さんは薬物療法については医師と相談するようにしてください。

バーンズ博士:医師が超越瞑想プログラムを患者に、とりわけストレスを受けているか、ストレス性疾患に悩んでいる患者に処方するようになる可能性は大きいと思います。この技法は、治療の観点から、標準的な治療法に変化をもたらす可能性がきわめて大きいと考えられています。

 ギャリー・P・カプラン(M.D. Ph.D.)は、神経科医であり、ニューヨーク大学医学部で臨床神経学の準教授を務めています。またカプラン博士は、医師養成教育の促進と向上に関わる臨床教官としての顕著な功績に対して、ニューヨーク州医師会からアルバート・H・ダグラス賞を受けています。

ヴァーノン・バーンズ(Ph.D.)は、オーガスタにあるジョージア医科大学のジョージア予防研究所の研究者です。この研究所は、米国心臓病学会および国立心肺血液研究所から150万ドルの助成金を受けて、高血圧の危険性が高いアフリカ系米国人の十代の若者に対する超越瞑想の効果についての研究を行っています。

体験者の声

米国NBC4ニュース:ハワード大学の高血圧に関する超越瞑想の研究

米国インディアンの糖尿病と高血圧が改善

 ネブラスカ州のウィンニバゴ特別保留地に住む米国インディアンは、その80%が糖尿病­を患っています。この状況を改善するために治療の一つとして超越瞑想が採用され、研究­が始まりました。その結果、多くの患者が回復に向かい、高血圧も同時に改善が見られました。

高血圧の研究

科学的研究:高血圧と超越瞑想

高血圧患者の血圧降下

Current Hypertension Reports 9: 520–528, 2007. voor volledig artikel click hier

このメタ分析は、公表文献から抽出したストレス軽減および血圧に関する107件の研究が対象となっています。このうちの17件の研究は、綿密に計画された無作為化比較試験としての標準条件を満たしており、総計960人の被験者の間で23種類の治療法が比較され、高血圧患者の治療法の分類ごとに複数の研究がなされています。
これらの研究の中で、高血圧患者の血圧降下に対して統計的に有意な影響があるのは超越瞑想だけであることが分かりました(p=.0002)。

メタ分析:収縮期血圧の降下

American Journal of Hypertension 21: 310–316, 2008

この研究は、超越瞑想が血圧に与える影響に関する、公表されたすべての無作為化比較試験の結果を調査したメタ分析であり、対象となった研究は9件、被験者は711人でした。
その結果、超越瞑想には、収縮期血圧を下げる統計的に有意な効果があることが確認されました。最も綿密な調査計画が立てられた3件の研究に範囲を限定すれば研究結果の有意性がさらに少し高まり、超越瞑想は血圧に対してかなりの影響があることが重ねて示唆されました。

心臓病患者の収縮期血圧の降下

Archives of Internal Medicine 166: 1218–1224, 2006

安定狭心症の患者を対象としたこの無作為化比較試験で、超越瞑想を16週間実践した被験者は、心臓の健康に関する講習を受けた被験者と比較して、収縮期血圧の有意な降下を示しました。
「メタボリック症候群」は、肥満症、インスリン抵抗性、脂質異常症をしばしば併発しますが、高血圧もこの症候群の構成要素の一つです。メタボリック症候群は心血管疾患の罹患率や死亡率の危険因子です。

高血圧の緩和

Hypertension 26: 820–827, 1995

超越瞑想を学んだ高血圧患者は、3カ月実践した後、他のテクニックを実践した患者や、食事と運動を通して血圧を下げる方法を学んだ患者と比較して、収縮期および拡張期血圧の有意な低下を示しました。

症状に対応した効果の実例

> 高血圧> コレステロール> 糖尿病> 動脈硬化> 心臓病
> 喫煙> アルコール> 薬物依存> 線維筋痛> 不眠症
> うつ病> 不安感> 情緒不安> ADHD> 衝動的行動> トラウマ

健康の効果

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