脳機能の研究や心理的発達の測定から、最高の能力を発揮する人々は、一般の人々と比べて、高度な脳機能と発達した心を備えていることが確かめられている。
世界級のアスリートを対象に行われた研究では、トップアスリートは一般のアスリートと比較して脳の統合度合いがより高いことが実証された。それはつまり、高度に発達した心と体が、優れた能力を発揮する基盤になっているということだ。これは、スカンジナビア医療&科学ジャーナルで発表された研究である。
この研究は、ノルウェーのオスロ大学の助教授ハラルド・ハルング博士と、米国アイオワ州フェアフィールドのマハリシ経営大学の脳・意識・認知センターのディレクター、フレッド・トラヴィス博士によって行われた。この研究では、オリンピックや世界選手権で入賞した33人のアスリートと、ノルウェーの競技会でトップ50%に入るアスリートの中から、入賞経験のない33人を選んで比較したものだ。
世界級のアスリートは、自我の発達や道徳的発達の測定、ストレスに慣れる度合いにおいても、より高い得点を上げている。
「これらの結果は、非常に興味深いものです。それは、心と体の発達と、最高の能力を発揮することとの間に明確な相関関係があることを示しているからです」とハラルド・ハルング博士は語る。「つまり、その人に備わる全潜在力を発揮するためには、より統合された脳機能を発達させる必要があるということです。」
ハルング博士はまた、この研究結果から、世界級のアスリートにおける脳の統合のレベルが、超越瞑想を平均7年間実践している人達に見られる脳の統合のレベルと似ていることを指摘している。
その研究で使用された脳の統合の尺度は、もともと超越瞑想の実践者の長期にわたる効果を測定するためにトラヴィス博士が開発したものだ。その尺度とは、脳の執行部にあたる前頭部の脳波の同調や、アルファー波やガンマー波の同調の度合いをもとにしている。
「また、世界のトップの経営者にも、同様の脳の統合が見られる」とハルング博士は語っている。こうした尺度は、あらゆる領域で最高の能力を発揮する人々の脳が、他の人々の脳とどう異なるのかを示している。
こうした研究を応用して、その人がトップのアスリートや経営者になる可能性を計ることができるだろう。そして、超越瞑想は、統合された脳機能を育み、その人が最高の能力を発揮できるように助ける優れた方法であるといえる。