瞑想が交通事故による脳しんとうの後遺症から回復させ治療効果を高める【体験談】

交通事故の後遺症が改善せず、8カ月間苦しんでいた米国バージニア州に住むジェシカ・ハチェットさんが、瞑想によって奇跡的に回復したと語っている体験談です。

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夫と一緒にバレンタインデーを過ごしたドライブの帰りに、飲酒運転の車に衝突されました。数分間意識を失い、目を開けたときには、頭の中で大きな音が鳴り響いている中で、「大丈夫か」と夫から声をかけられました。彼が他のドライバーを助けている間に「警察に電話するように」と携帯電話を渡されましたが、警察に電話する方法がわかりません。そのとき、自分が大きな衝撃を受けていることに気づきました。

警察が来て事故の日時を聞かれたときも、自分の誕生日を答えていました。おそらく耳鳴りがひどくて、思考が混乱していたのでしょう。私は中央分離帯にある雪の土手をふらふらと歩いて、すべてが夢のように感じられ、間違いばかり犯していました。救急隊員が到着したときには、「疲れているだけなので、私は家に帰って眠るだけでいい」と彼らを説得していました。

脳しんとうの後遺症で何もできない

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月曜日に出勤したとき、全く仕事に集中できませんでした。数日たっても、それまで読んでいた本が読めなくなり、理解できませんでした。疲れてくると、話すことすらできなくなります。めまいがして、まっすぐ歩けなくなり、光と音に圧倒されて、公共の場所にも行けなくなりました。

そのときの辛さは言葉で言い表すことができません。誰もが私を見て、以前と同じだと思って接してきます。しかし、私は家族に対しても、友人に対しても、以前と同じように振る舞うことができませんでした。引きこもりのように、ただ寝室に座ったまま1日を過ごし、洗濯機を使って洗濯することすらできませんでした。

神経科医の勧めで、脳しんとうクリニックの医師に診てもらい、脳しんとう後症候群と診断されます。そして、理学療法、認知療法、眼球再訓練療法、前庭リハビリテーションを試し、カイロプラクターや整骨医にも診てもらいました。

主治医から瞑想を処方された

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医師たちみな半年もすれば良くなると言っていましたが、半年たっても同じような症状が続きました。私は障害者手帳を取得する必要があり、家族医療休暇法の保護を受けなかったので、仕事も辞めざるをえませんでした。

事故から8カ月後、私は完全に希望を失い、主治医に助けを求めました。そして驚いたことに、そのとき彼女は私に超越瞑想を処方したのです。もし半年間試してみて効果がなければ、処方薬を検討すると言われました。

私は夫と一緒に超越瞑想の説明会に参加して、すぐに瞑想を学ぶコースに申し込みました。瞑想など効き目はないと思っていたので、早くそれを示して、薬を処方してもらいたかったのです。私はこれ以上、間違いを犯すわけにはいきませんでした。

ところが、4日間のコースの最終日、朝起きたときに、世界がまったく新しく見えました。9カ月ぶりに、自分は正常だと感じたのです。私はたくさん洗濯をして、たくさん泣きました。まるで奇跡のようでした。

読む能力や認知機能を高める治療法にも進歩が見られるようになりました。日に日に、より多くのことができるようになり、数週間後には、仕事にも復帰することができました。夫は私の瞑想の効果に驚いて、長女にも瞑想を学ばせました。

新しく改善された、私の脳と私の人生

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今でもまだ、いくつかの問題は残っていますが、大半のことはTM(超越瞑想)を学ぶ前よりも良くなっています。以前と同じ脳機能を取り戻しただけでなく、より親切で、落ち着いて、忍耐強くなり、思いやりが増してきました。また、落ち込むことがあっても立ち直るのが早くなり、今という瞬間を大切に生きるようになりました。

小さなことを心配しなくなったので、今まで以上に自分のことがよくわかるようになった気がします。家族との関係、特に夫と3人の子供たちとの関係も、より親密で、満足のいくものになりました。

また、友人と共同で新しい会社を設立しました。障害のある退役軍人の企業経営をサポートする政府契約のコンサルティング会社です。

それに加えて、1,000人の法廷通訳者の契約を監督する政府の請負業者でも働いています。この会社は、私の新しく改善された脳を高く評価してくれていて、それは私の業績評価や表彰歴からも明らかです。

瞑想は脳内のコミュニケーションを助ける

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外傷に苦しむ人には、TMテクニックを治療計画に組み込むことをお勧めします。TMテクニックを始めるまで、従来の治療法は全く効果が見られませんでした。TMを実践して初めて、数日おきに大きなブレークスルーが起こり始めたのです。

私に起こったことは個人的な事例ですが、予備研究によると、TMは外傷性脳損傷のある人の向精神薬の必要性を減らすことが示されています(注1)。TMの実践は、私の治療効果を高めてくれました。TMのテクニックは事故によって遮断された脳の神経経路を開いて、再び脳内のコミュニケーションがとれるように助けてくれたのです。

TMプログラムは、私が受けた従来の治療法を機能させるためのミッシングリンクでした。そして結局、処方薬は必要ありませんでした。

注1)軍事医学誌に掲載された研究によると、定期的なTMの実践により、心的外傷後ストレスのある現役軍人が向精神薬を減らしたり、なくしたりすることができます。「超越瞑想の規則的な実践は、脳を落ち着かせて癒す習慣を提供する」とオーガスタ大学のジョージア医科大学ジョージア予防研究所の生理学者バーノン・A・バーンズ博士は述べていました。研究の筆頭著者であるバーンズ博士は、ジョージア州フォートゴードンにあるドワイト・デビッド・アイゼンハワー陸軍医療センターの外傷性脳損傷クリニックでTMの実践を指導しています。

ソース:My New and Improved Brain