経営者の私が瞑想を学んでわかったこと

米国版ハフィントンポスト「The Third Metric」のなかで経営者のハンス・ヒックラー氏は、人生の転機に瞑想を学び、その恩恵について記している。世界中を飛び回り、多忙を極めていた氏がある日、より効率的に活動するためには、より効率的に休むことが必要だと気がついた。以下は、そのブログからの抄訳。

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誰に聞いても、毎日120パーセント働いていて時間がない、と言うだろう。私も同じで、できる限り長い時間働き、どうにか時間を作れないかと思っていたが、それは難しかった。

だから朝20分、そして夕方もう一度20分、時間を使うということは、気乗りしない話に聞こえた。

数年前、いくつかの出来事が同時に起こり、それが私をこの道に引き込んだ。健康上の理由から私は、多国籍企業のCEOのポジションをあきらめざるをえなかったのだ。私はその仕事が大好きだったが、続けることはできなかった。振り返ってみると、ほとんど15年もの間、私は世界中を常に出張してまわっていたことに気づいた。

私の人生のこの急激な変化によって、私は新しい事に目を向けるようになった。時間を作り、新しい事をすることに挑戦するようになったのだ。仕事を退き、時間を作って新しい事を始めると、プライベートでも仕事でも新しいチャンスがやってきた。

私は、超越瞑想(TM)を実習している。瞑想自体は3年間行っているが、後半の1年半でTMを習い、それを朝晩20分間行っている。

TMの素晴らしいところは、時間が経つにつれ、心がその瞑想的な状態に慣れてきて、その利益を預かるようになることだ。それは毎日の生活と行動にどんどん影響を及ぼす。

私は、どんどんその影響を見つけるようになった。私の心はいつも明晰で、私を常に打ちのめしている日々の混沌から距離を置けるようになった。他の人が私に、TMから何を得たのか聞く時、私は「落ち着き、明晰さ、包容力を得た」と答えている。(これ以上何を望むと言うのだ?)

TM中、私の心は明晰になり、「粗雑さ」「混沌」ではなく「繊細」な状態に自然に気づくようになる。言い換えれば、私は広い視野を得ることを習っているのだ。表面的な混沌さにすぐに反応するということがなくなり始めている。

友人はよく言う。「私たちは、思い浮かぶ全ての考えや、微かな思いに反応する生活をしている。しかし、少し経つと心は瞑想状態に慣れてきて、考えはただの考えに過ぎないということがわかるようになる。」これが解放だ。

私にとって、1日40分の瞑想は、落ち着いて、否定的な混乱に対処する能力をもたらした。加えて、考え方が秩序立ち、客観的に状態を把握できるようになったことがわかる。自分自身が明るく行動的になり、小さな事でストレスを受けなくなった。確かに私は、前より創造的になり、より多くの事が出来るようになった。包容力が大きくなった。もちろん、いつもというわけではない。なぜなら、何事もそうだが、人生は旅であり、物事は時間をかけて育っていくものだからだ。

毎日の仕事がもう一つ増えたように見えるこの40分間は、深い休息をもたらし、包容力と元気を取り戻す能力をもたらした。そしてそれは、より効率的になる技術でもある。

1日の内で元気を取り戻す時間を作るよう勧めるのは、実のあるアドバイスだ。それは、蜘蛛の巣を払ってくれる。瞑想は、より遠くへと進ませてくれる。私にとって瞑想は、与え続けるための贈り物である。心が混乱を喜ぶことはないが、大目に見ることができるということを私は学んだ。

事実、心は内側へ向かうのを喜び、その結果、喧嘩中でも、落ち着きと包容力を保っていられるのである。

原文・Hans Hickler