目撃する意識のなかで自分を見つける──伝説のサックス奏者デヴィッド・S・ウェア

昨年10月に亡くなったジャズ界の巨星デヴィッド・スペンサー・ウェア(サックス奏者)は、1990年代の初めから彼自身のカルテットを率いて、現代の最高のジャズバンドの一つとして活動してきた。

デヴィッドは、若い頃から、より高い意識状態を体験することに関心をもっていた。そして、24才(1973年)のときに超越瞑想を学び、探し求めていたものを体験し始めたという。

David3

「瞑想によって、自分と相対的な世界との関係が変化します。それはかすかな変化です。例えば、一日を始めるとき、何かが始まった、何か新しいことが始まったと感じます。それは長い間、私が探してきたものですが、それを見つけるまでは自分が何を探していたのかさえ知りませんでした。

超越瞑想では、通常の知覚よりも、はるかに深い、広大なものを体験します。超越瞑想は、ヴェーダの教えに由来する瞑想法です。ヴェーダの教えの中には40の知識の分野がありますが、超越瞑想はそれらすべての知識のカギとなるものです。なぜなら、知識は意識に構築されるからです。ヴェーダの文献を、読んで読んで読み続けることもできますが、それらはすべて知的な理解にすぎません。知的な理解は、人が進むべき道を理解する助けになりますが、結局のところ、私たちが探し求めているのは実際の体験です。

David2

私たちは、瞑想中、あの目撃する意識の中で、自分自身を見つけます。それは通常の目が覚めているときの意識状態ではありません。夢を見ているのでも、眠っているのでもありません。私たちが慣れ親しんでいる目ざめ、夢、眠りの三つの世界とは全く違う意識状態です。それが超越の状態です。その宇宙的な状態が、私たちみんなを一つに結び付けます。それを体験することで、私たちはみな兄弟のような親しい関係になります。それは血縁よりも深い関係です。」

原文・MARIO ORSATTI