女優ローラ・ダーン「瞑想は、心の重荷を軽くする贅沢な機会」

映画「ブルー・ベルベット」や「スムース・トーク」で印象的な役を演じたローラ・ダーンは、初期の頃から、多くの人達を魅惑してきた聡明な女優だ。そして今年(2012年)は、ゴールデングローブ賞のコメディ・ミュージカル部門で最優秀女優賞を受賞した。今では40代になった彼女は、人生の半分近くにわたって超越瞑想を実践している。一時期、二人の子供が生まれた後はひどい睡眠不足だったので、瞑想よりも睡眠を選んでいた。「もう目を開けていられないほどでしたから。」それが今では、「瞑想に20分間捧げれば、3時間余分に眠ったようなすっきりした感じになる」と分かるようになった。

ローラが人生の様々な困難にであったとき、友人達は色々な薬を勧めてくれた。しかし、彼女はいつも薬ではなく瞑想を選んでいた。「瞑想なら、気持ちが落ち込むようなことはありませんから。」ローラによると、瞑想をすると「静けさと休息と忍耐の場所」を見つけることができる。それに、「体の活力と心の集中力」が増すという。

「私はADD(注意欠陥障害)と診断されたことはありませんが、かなりその傾向があるようです。私たちが生きている世界では、ADDは一種の文化的な問題になっていると思います。いつも、たくさんの事が私たちに押し寄せてきます。瞑想は、そうした必要のない心の重荷を軽くするという贅沢な機会を与えてくれるように思います。」

超越瞑想は女優としての彼女にはどう役立ったのか、という質問にローラは次のように答えた。

「どんな芸術でも、どんな創造的な仕事でも、その瞬間にフォーカスできて人の話をよく聴けるということがいちばん重要です。超越瞑想はそれをする近道を提供してくれたように思います。演技をしている間にも、人の言うことを以前よりもよく聴けるようになりました。また、自分が何かを選択するときに以前よりも勇敢になりました。女優にとって、いちばん勇敢になれるのは、自分を信頼できている時です。もし、心が散漫で、自分が自分自身や自分の考えとつながっていなければ、映画のセットに入っても女優として自信を持って演技できないでしょうね。 」

フォーカスできる、人の話がよく聴ける、自分に自身が持てる、こうした資質はローラの私生活でも役に立っている。彼女は超越瞑想からもらったおまけの贈り物についても話してくれた。それは、「自分の非を素直に認められる」という資質だ。

「TM(超越瞑想)をしていると、自分自身に対して、自分の弱点に対しても、もう少し気楽にしていられるようになります。なぜなら、その瞬間にも、より大きな心の平安に気付いているようになるからです。ですから、誰かが『君がそう言ったので僕はすごく傷ついたよ』と言ったときでも、相手の言い分を以前よりも素直に聴いてあげるようになりました。それというのも、TMによって、耳を傾け、目撃し、自分自身の中心に戻るという毎日のリズムを実践しているのですから。」

ローラと私の会話は、超越するときにはどのように感じるかという素敵な話で終わった。

「もしTMをしていない人に超越の体験について話すとしたら、たぶん、午後の浜辺で海から吹いてくるそよ風を感じながら横になって休んでいるときを思い出すでしょう。もう既にひと泳ぎした後で、横になって仕事のことや家庭のことなどを考えています。そのとき、潮風や日差しといったその瞬間の心地よさにすっかり心を奪われ、頭の中の考えが全部どこかへ流れさってしまいます。そして、私は完全にその瞬間の中にいます。眠りに落ちてしまうのではありません。夢を見ているような状態ですから、うたた寝をしているような感じに近いと言えるでしょうか。TMを始める前にした超越に似た体験と言えば、そんな体験ぐらいです。」

原文・Norman Rosenthal, M.D.,著「Transcendence」より