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世界的に薬物の乱用は大きな問題となっている。その中で最も深刻なのは米国だ。数年前から、薬物の過剰摂取による死亡者数は、銃撃による事故や交通事故の死亡者数を上回り、現在、米国の事故死の主要な原因となっている。
交通事故死を上回った薬物の事故死(米国)
飲酒や薬物に頼らない生活は、その誘惑にはまっている人にとって容易なことではない。依存症から抜け出だしても再発する可能性大だ。薬物に頼らない生活を維持するには、それを意識して努力し続けるしかない。そのためには集中力と自己管理能力が不可欠になる。
最近、そうした集中力と自己管理能力を得るために、依存症を抱える人々が超越瞑想(略してTM)を活用している。
薬物や飲酒の原因、ストレスを瞑想で解消
心の痛みやストレスから逃れるために薬物に頼る人たちは多い。ストレスは、不安や憂うつな気分を引き起こし、それが不眠症や過食につながり、さらに絶望感が増していく。そうした負の感情から逃れるために、薬物や飲酒に依存するようになるのだ。
では、こうした状況から抜け出すためには、どうしたら良いのか? それは、まず第一に依存症の根本原因であるストレスを解消することだ。超越瞑想は、体に深い休息を与えることでストレスを解消するテクニックである。しかも、瞑想によって落ち着いた心を取り戻し、不安感が減少することで、自分の衝動的な欲求をコントロールできるようになる。
瞑想が薬物依存を解決できる3つの理由
深いリラクゼーションと、より大きな気づきをもたらす超越瞑想(TM)は、古代インドから受け継がれてきた瞑想法であり、1960年代にインド人のマハリシ・マヘーシュ・ヨーギーによって米国に紹介された。
1970年代から始まったTMの効果に関する科学的研究によると、TMは心身の調和を生み出し、脳の各部分のつながりを強めることで、より統合された脳機能を生み出すことが多数の論文で確かめられている。
超越瞑想には様々な効果が認められているが、特に以下の3つの生理的変化が依存症からの回復の助けになると考えられている。
- 血圧の低下
血圧が低下すると落ち着きと不安が減少し、薬物や飲酒を求める欲求が自然に減少する。 - 慢性的な痛みの減少
心や体の痛みが原因で依存症になる人が多いため、痛みが減少することで、薬物を求める欲求が減少する。 - 不眠症の改善
疲労感は、依存症を再発する引き金となることが多い。超越瞑想によって熟睡できるようになると、疲れがとれて依存症の再発の可能性が減少する。
瞑想はどうやって行うのか?
超越瞑想は純粋に精神的なテクニックだが、生理機能をともなった実際的な効果をもたらしている。やり方は、シンプルだ。4日間のコース(1日1~2時間)に参加するだけで習得できる。
この瞑想法は、依存症から抜け出そうとする人々だけでなく、心の安らぎを求める忙しい現代人にとって助けになるはずだ。
ソース:3 ways Transcendental Meditation helps people in recovery