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困難な時期でもデヴィッド・リンチは、幸福の海のなかにいる

世界中でコロナが蔓延するなか、12人の著名人に「本当の幸福とは何か」と問いかけたインタビュー記事『困難な時期に喜びを見つける幸福プロジェクト』が『GQマガジン』に掲載された。

その12名の著名人が幸福について語る中で異才を放っていたのが、48年間にわたって超越瞑想を続けてきた映画監督デヴィット・リンチだった。以下は、彼が彼の体験から語った幸福についてのコメントの抜粋である。

◇ ◇ ◇

──あなたは、どんなときに幸福を感じますか?

デヴィット・リンチ:私は何かをしているときに、ちょっとした幸福を感じます。おいしいコーヒーを飲むだけでも幸せです。アイデアが浮かぶとき、そのアイデアを実現するとき、絵を描いたり、彫刻をしたり、映画の仕事をしているときなどです。そして、願ったことが叶うときに、幸せを感じます。

──あなたにとって、幸福とはどのような状態ですか?

デヴィット・リンチ:幸福とは内面からやって来るものです。内面から来るこの至福は、マッサージを受けたときのような、肉体的な幸福です。それは体が脈動したり、振動している状態です。肉体的な幸福とは、体が幸福の中でハミングしているのです。

それはまた、感情的な幸福でもあります。ワクワクするような感情を得るのです。そして、それは心の幸福でもあります。あなたは心の中で幸せな歌を歌っているのです。さらに、幸福とは精神的な感覚でもあります。

つまり、体、感情、心、精神という4つの異なる種類の幸福が同時に起こるのです。これは、内面からやってくる至福の力です。

──どうしたら、内面の幸福を得ることができるのでしょうか?

デヴィット・リンチ:若い頃、私は憂鬱感や不安感をたくさん抱えていました。そして、ある日、たぶん瞑想が自分の内側へと入っていき、幸福を見つける方法だと気づいたのです。それで私は、様々な瞑想法を調べてみました。なぜなら、今の世界には、何百もの異なる瞑想法があるからです。

そして、私はついに超越瞑想を見つけて、とても気に入りました。それはマハリシ・マヘーシュ・ヨーギーが復活させた古代から伝わる瞑想法です。

最初に瞑想したとき、私は大きな、大きな至福を経験しました。それは巨大な幸福感です。これは1973年7月1日のことでした。それ以来、私は毎日2回、瞑想しています。

私は自分自身の内側がどこにあるのかを知り、そこへと行き着く方法を知りました。そして、そこに真の幸福があったのです。

デヴィッド・リンチ
PHOTO: MASTER CLASS de DAVID LYNCHより

──幸福に関して、あなたはどのような考えをお持ちですか?

デヴィット・リンチ:私が気づいたことは、多くの人は、目標のために、結果のために、仕事と呼ぶものを行っている、ということです。それでは、あまり幸せではありません。それでも、私たちはそのような人生を生きています。

しかし、もしあなたが毎日瞑想して、超越を体験しているなら、最終的に次のようになります。どんな仕事であっても関係なく、あなたはただ仕事をすることで幸せになります。それが、小さな仕事であっても、大きな仕事であってもです。その仕事を楽しんでいれば、思い通りの結果が得られなかったとしても、がっかりすることはありません。私たちは人生で、自分が行うことを楽しむだけでよいのです。

私たちの本質は、至福です。私たちは、幸せになるために生まれてきます。ですから、悲しむべきではありません。人は苦しむために生まれてきたのではありません。私たちはみな、人生のキャンプを一緒に楽しむ仲間です。他の人も快適に過ごしているかどうか確かめながら、互いに助け合い、素晴らしい旅を楽しむべきです。

──あなたは、幸せなときに創造的になりますか。あるいは不幸なときに創造的になりますか?

デヴィット・リンチ:人は惨めなときにも同じように創造的ですが、惨めなときは何かを創造する気になれません。例えば、屋根裏部屋で飢えて死にそうな芸術家がいたとします。それはとてもロマンチックなアイデアであり、そこに女の子が登場するかもしれません。女の子がやって来て、あなたを助けたり、スープを持ってきたり、夜を過ごしたりします。

しかし、屋根裏部屋で凍える空腹の芸術家にとって、それはロマンチックではありません。あなたが落ち込んでいて、空腹で、寒いとき、あなたは何かを作る気になれません。創作活動は楽しくないし、よいアイデアが浮かばないからです。

ですから、否定性は創造性の敵であると私は考えています。幸せで、エネルギーに満ちていて、アイデアが溢れ出すのは、とても素晴らしいことです。私たちは、そうしたアイデアを実現して、芸術の領域でそれを表現したいのです。もし、自分の内側から幸福感を引き出すことができれば、それがあなたを助けるでしょう。

例えば、屋根裏部屋にヒーターを設置したり、部屋を修理したり、物を置いて、仕事場を快適にするアイデアが浮かんでくるかもしれません。より熱意が増し、エネルギーが増し、アイデアが溢れ出てきて、そのアイデアを行動に移すことで、もっと幸せになれるのです。

普遍的な愛に満たされ、世界はより美しく見えて、内なる平和が実現します。体がより楽になり、もっと働きたいと感じるでしょう。そして、もっとたくさんの女の子があなたを助けにやってくるのです。

──コロナのために外出できない日々を、どのように感じていますか。

デヴィット・リンチ:私は6~7カ月間、自宅で過ごしていますが、そうした日々を楽しんでいます。それは長く続いていますが、正直なところ、私は毎日幸せです。内面の幸福を保ちながら、同時に今の世界を心配することができます。

多くの人が苦しんでいて、多くの否定性があります。社会の雰囲気の中に、信じられないほど多くのストレスがあり、それを感じることもできます。しかし、今は非常に良い時代へと向かう移行期であると私は信じています。

ソース:
The Happiness Project: Finding Joy in Tough Times

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