従業員の健康と業績を押し上げている、企業が取り入れた瞑想法

生産性を上げるために残業し、努力すればよい、という考えは時代遅れになりつつある。今では、自分自身の幸福と健康を高めることが企業利益につながると考える人達が増えているようだ。その方法として瞑想が注目されている、とハフィントンポストが報告している。以下はその記事の抄訳。

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瞑想に関する調査が継続的に行われ、その効果が大いに広まってきたせいか、瞑想が一般的なものになってきた。今や、多くの人が瞑想を試してみたいと思っているようだ。最初は疑っていたにも関わらず、だ。そのもっとも顕著なのが職場だろう。重役から若いアシスタントまで、すべての人が瞑想の効果を楽しんでいる

「ますます多くの企業が瞑想室を設けて、就業時間内に従業員に瞑想させています。夕方に疲れが出てきて、仕事が思うように進まないと、夜遅くまで残業しなければなりません。そうすると、本当に疲れてしまいます。誰もコーヒーを10杯も飲みたくはないでしょう。」とボブ・ロス氏は語る。彼はニューヨークを拠点にして活動する超越瞑想の教師だ。

「瞑想するために20分抜け出して戻ってくると、朝起きたときのように頭がスッキリします。その方がはるかに効率が上がるのです。」と彼はつけ加えた。

ロス氏が理事長を務めるデヴィッド・リンチ財団は、最近、企業にも参入している。有名な映画監督が設立したこのNPOは、さまざまな問題を抱える人々に、無料で瞑想を教えることで知られているが、今や企業にまで事業を拡大しているのだ。

ロス氏と彼の同僚である瞑想の教師ジョアンナ・ピットは、ニューヨーク市のリーダーシップ・パフォーマンス・センターと提携して、アメリカ中の職場で超越瞑想を教えている。そうした活動は、とてもうまくいっているという。

「過去12~18か月の間に、このプログラムを導入する組織が急激に増えています。」とロス氏。彼は今、銀行、学校、病院、プロのスポーツチームまで、至る所でこのプログラムを教えている。

TM(超越瞑想の略)を学ぶコースには、グループで受ける1時間のTMの説明会、教師との90分間の個別のミーティング、そして受講生が実習を続けることができるように3回のフォローアップ・ミーティングが含まれている。

このような瞑想のプログラムによって、企業の収益や生産性が増し、従業員の業績が高まり、医療費が減少することが確かめられている。それだけでなく、瞑想すると、自分自身の内側で、幸福感や他の人とのつながりを感じることができるという。

「TMを学んだ人がすぐに気づく効果は、よく眠れるようになることです。そして朝も、気持ちよく目が覚めるようになります。また、神経質になったり、イライラしたりせずに、落ち着いていることができます。力強い創造的なエネルギーを維持することができるのです。」とロス氏は説明する。

瞑想には、はっきり区分できる3種類の方法がある。「集中法」は、何かに集中したり、心をコントロールしたりする。「観察法」とは、マインドフルネスやヴィッパーサナ瞑想であり、心に浮かんでくる考えを観察していく。超越瞑想は「自動的に超越する方法」であり、その人に合ったマントラを20分間思い、内側にある静けさの空間に入って行く方法である。

「最初の2つの方法は、自分の呼吸や考えや周りの環境に注意を向けるため、いくらか努力が必要です。それに対して、TMはまったく努力なく、心の深いレベルへと至ります。そこは、穏やかで落ち着いていて静かな場所でありながら、広く目覚めていて、創造性に満ちています。すべての人の内側に、そのような領域があるのですが、そこへと至る方法を忘れているだけなのです。それはちょうど、海の表面にはさざ波や荒々しい波が立っていても、海の深みには静寂があるのと同じです。」

超越瞑想の有効性については、200以上の大学や研究所で、幅広い研究がなされてきた。2008年にコネティカット大学で行われた研究では、問題を抱えた若者たちが超越瞑想を行うことで、ストレス、不安、活動過多が減少することが確かめられている。ロサンゼルスのシダーズ・シナイ医療センターで行われた研究では、心臓病患者に見られる高血圧、肥満、糖尿病を改善する上で、超越瞑想が有効であることが明らかになった。

これらの瞑想法は他の瞑想法と対立することはなく、しばしば一緒に行われている。ロス氏によると、集中法は、心を集中するトレーニングとして、マインドフルネスは、日中のストレスを和らげる方法として活用されているという。

それに対して、TMは、これらの瞑想法のなかで最も生理に影響を与えるテクニックだ。1日2回(朝1回、夕方1回)の20分の実習中、身体は深い休息を得てリラックスし、ストレス、緊張、疲労が取り除かれる。こうした効果を、多くの従業員たちが、毎日体験しているのだ。

従業員に瞑想を学ぶ機会を提供し、毎日勤務中に実習できるようにすることは、職場のストレスを減らし、燃え尽き症候群を改善する効果がある。そのため、ホリスティックな健康管理法として瞑想を取り入れる企業が増えてきた。もし興味があれば、上司に相談してみてはどうだろう。たとえ会社で採用されなかったとしても、個人で学ぶことはできるので、ぜひ試してみてほしい。

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