瞑想法が異なれば、脳生理の状態も異なることが判明

医師たちが、ストレスによる不調を改善するために患者に瞑想を勧める機会が増えている。そのため研究者は、多種多様な瞑想法がそれぞれどのような結果を生み出すのかを調査し始めている。

2010年の夏に発表された『意識と知覚』という論文では、瞑想を3つのカテゴリーに分けて解説された。

      1. 集中する方法:対象物、考え、感情に集中する瞑想法
      2. 観察する方法:自分の呼吸、思考、感覚に注意を向ける瞑想法
      3. 自動的に超越する方法:自分自身の活動領域を超越する瞑想法

各カテゴリーは、瞑想中の脳波の測定結果にもとづいて分類されたものだ。

「瞑想は、ある意味で、知覚の活動であると言えるでしょう。知覚の活動の内容によって脳波は異なってきます。」とフレッド・トラヴィス博士は説明する。トラヴィス博士は、この論文の共同著者であり、マハリシ経営大学の脳・意識・知覚センターのディレクターを務める。

さまざまな瞑想法による脳波のパターンの違い

  1. 40Hzの脳波は、強く集中していることを現している。
  2. 左前頭葉は、幸福感と関係する。
  3. 同調(コヒーレンス)とは、脳のある二つの部分が会話をするように機能的につながり合っている状態。これは、脳機能全体がより目覚めていて、より活性化していることを意味する。アルファ波が同調すればするほど、人はより効果的に反応するようになる。例えば、空間・記憶・創造性・時間などについて、より良く能力を発揮することができる。

四つの主な脳波

■各瞑想法の特徴

  1. 集中する方法:ベータ波とガンマ波に特徴がある瞑想法
    チベット仏教(無条件の愛と思いやりの瞑想)・仏教(ダイアモンドウェイ瞑想)
  2. 観察する方法:シータ波に特徴がある瞑想法
    仏教(マインドフルネス瞑想、ヴィパッサナー瞑想)・ヴェーダの伝統(サハジャ・ヨーガ)
  3. 自動的に超越する方法:アルファ波に特徴がある瞑想法
    ヴェーダの伝統(超越瞑想

各カテゴリーに分類されたそれぞれの瞑想法は、集中の度合、主体と対象との関係、やり方に違いがある。この違いに関する研究結果から、すべての瞑想法を同じものとしてとらえる一般的な理解は誤りであることがわかった。

「それぞれの瞑想法は、ちょうど薬と同じように、構成要素と効果の両方で違いがあります。ですから、すべての瞑想法を基本的に同じものとしてひとまとめにするのは、完全に間違っています。」とジョナサン・シア博士は述べている。

シア博士は、この論文の共同著者であり、リッチモンドのヴァージニア・コモンウェルス大学の哲学の教授だ。シア博士は、瞑想について数冊の本を書いており、世界の主要な瞑想法を紹介している『瞑想の経験』は広く知られている。

瞑想の実践による生理学的な変化や臨床上の効果を検討する上で、それぞれの瞑想法の明確な違いを考慮すことがとても大切です。もしすべての瞑想法を同じものとして考えてしまうと、現象学的、生理学的な結果と臨床上のデータを有意義に判断することはできないでしょう。」とトラヴィス博士は説明する。

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